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古本万歩計 Of what is lost, all I wish to recover is the daily availability of my writing, lines capable of grasping me by the hair and lifting me up when I'm at the end of my strength. - Roberto Bolano

風呂でピンチョンを読む

風呂でピンチョンを読む_c0213681_1494937.jpg読書に充てられる時間は1日のうちでわずか。だから風呂に入りながらでも『重力の虹』を読み進めたい。新刊で買った本をそんな危険に晒すことは自家製ルールに反しているが、この小説に限ってはそうしてもいいくらいにおもしろい。

物語は第2部に入ってからは少し軽くなってきた。突如モナコのビーチに現れた巨大蛸と戦ってみたり、お下劣なSMシーンがあったりと、なかなか hilarious である。でも、あいかわらず知識が足らず難儀するところも多い。ロケットの話とか物理の数式みたいなのが出てきたらもうお手上げで、そういう部分は字面だけ目で追う。あと、登場人物の関係がいよいよ錯綜してきて、帯にある主要登場人物表だけでは心許なくなってきた。やっぱり自分で人物相関図を書くべきだったかなあ。

件のSMシーンが繰り広げられる怪しげな部屋の描写に「クラフト=エビング」が出てきた。ちゃんと脚注が付されていて、「サディズムの命名者でもあるリヒャルト・フォン・クラフト=エビングの主著は『性的精神病質』(一八八六)」とある。どうしても「クラフト=エヴィング商會」が頭に浮かぶのでなんかそのギャップがへんな感じ。

現在、スロースロップはモナコのカジノ内ホテルでロケットについての諸々を猛勉強中。

◆『重力の虹(上)』@468
by anglophile | 2014-10-20 23:15 | 読書 | Comments(0)