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古本万歩計 Of what is lost, all I wish to recover is the daily availability of my writing, lines capable of grasping me by the hair and lifting me up when I'm at the end of my strength. - Roberto Bolano

『定本 古本泣き笑い日記』を読んで

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未入手の状態でどこまで耐えられるか実験していたのだけどもう限界だ。山本善行さんの新著『定本 古本泣き笑い日記』(みずのわ出版)をようやく手に入れた。カバーを取ってみると、かっこいい角背が現れた。さっそくグラシン紙を巻いてから読み始める。青弓社版と重複する内容も含まれるが、それは最初の150ページほどで、残りの250ページほどは初めて読む日記だった。書影も満載で最高である。よく見ると、青弓社版にはなかった書影なども載っている。あっという間に読んでしまった。

山本さんの書くものが楽しいのは、買った本の値段がほぼもれなく書かれているから。うおっ、この本が105円かあ、という気持になるのが読者として楽しい。私もそのまねをしたくなって、このブログを始めた。何かを記録しておくという作業が好きなのだ。

古本パワーが満タンになったので、仕事が終わってから、雪の振るなか文圃閣へ。寒さに震えながら、ガレージの方だけ見る。金子光晴『這えば立て』(中公文庫)を1冊確保してから、単行本3冊500円として『カイエ 1979年11月号 特集・花田清輝』(冬樹社)蓮實重彦『魅せられて──作家論集』庄野潤三『おもちゃ屋』(河出書房新社)を選んだ。『カイエ』には野呂邦暢の短篇「赤毛」が入っていた。プチ家出をした妻が帰ってくるのを駅で待つ男の話。蓮實本には阿部和重論が2本入っている。既読だがまあ買っておく。

さて、普通ならここで家に帰るところだが、『泣き笑い日記』を読んだ私は、なぜか30km離れた小松のブックオフへと車を走らせてしまう。雪が降ってんのにだぜ。完全に常軌を逸しているが、やる気満々なのだからしょうがない。1冊も買えなかったらどうしよう、などとは思わなかった。

幸いにも、数冊ほしい本があった。ジュール・ヴェルヌ『チャンセラー号の筏』(集英社文庫)文藝春秋編『アンソロジー人間の情景6 奇妙なはなし』(文春文庫)ジョージ秋山『デロリンマン(上)(下)』(徳間コミック文庫)¥700の4冊。文春文庫の『アンソロジー人間の情景』のシリーズは全部で10冊出ているが、その中でもこの6番目の『奇妙なはなし』はあんまり見ないやつかも。ようやく見つけることができた。『デロリンマン』はさくらコミックス版は昔買ったが、この徳間文庫のやつはまだ持ってなかった。よしよし。

さて、明日はどうしようか。
by anglophile | 2013-01-18 23:52 | 読書 | Comments(0)