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古本万歩計 Of what is lost, all I wish to recover is the daily availability of my writing, lines capable of grasping me by the hair and lifting me up when I'm at the end of my strength. - Roberto Bolano

昭和40年代から50年代の文庫本あれこれ

久しぶりに伝説のスーパーに寄ってきた。文庫が補充されていた模様。すでに絶版になって久しい、新古書店ではあまり見かけないような文庫もあり、しばし時間の過ぎるのを忘れた。なんでだろう。単行本なら買ったかどうかわからない本でも、文庫だと迷わず買ってしまう不思議。文庫本にはたしかに文庫本にしかない魅力があるようだ。今日買ったものの中から、表紙の気に入った7冊をここに掲げておこう。それぞれの表紙にそれぞれの表情がある。

・鴨居羊子 『のら犬のボケ・シッポのはえた天使たち』 (新潮文庫) カバー 鴨居羊子
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・倉橋由美子 『悪い夏』 (角川文庫) カバー 山野辺進 
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・金井美恵子 『兎』 (集英社文庫) カバー 金井久美子
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・古井由吉 『行隠れ』 (集英社文庫) カバー 金守世志夫
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・石川淳 『白描』 (集英社文庫) カバー 佐藤晃
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・福永武彦 『塔』 (講談社文庫) カバー装画 南桂子
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・三島由紀夫 『剣』 (講談社文庫) カバー装画 横山明 依岡昭三
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『悪い夏』の「あとがき」で、倉橋由美子はこう述べている。
 私の作品が今度はじめてこの文庫に収められることになりました。何冊かの作品集が出たなかで、これが特別の感慨を抱かせるのは文庫本という形のせゐのやうです。本の姿は小さくても、たとへば日本文学全集のなかの一冊に、それもほかの作家と抱き合せで作品を収録されるよりは、文庫の一冊に加へられることのはうがかへつて嬉しいやうに思はれます。(287頁)

by anglophile | 2011-06-28 21:56 | 古本 | Comments(0)