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古本万歩計 Of what is lost, all I wish to recover is the daily availability of my writing, lines capable of grasping me by the hair and lifting me up when I'm at the end of my strength. - Roberto Bolano

熟語本位 英和中辭典

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今日は、齋藤秀三郎『熟語本位 英和中辭典 新增補版』(岩波書店、1963年第20刷)を200円で入手した。これまで血眼になって探してきたわけではないが、できれば我が家にも一冊、とおもっていたのでちょうどよかった。実のところ、うっかり見逃すところだったので、いつもと変わらないように見える本棚こそ丁寧に見なければいけないとあらためておもった次第。

この辞書の初版は1915年(大正4年)で、その後1935年(昭和11年)に岩波書店から新増補版が出て、かなり版を重ねたようだ。絶版になったのがいつかは知らないが、1993年に一度復刊されている。でも、それも現在では絶版である。この辞書のことを、柳瀬尚紀さんの本を通して知ったという方は多いのではないだろうか。私もそうだった。
 高校時代、とにかくこの辞書を読んだ。前置詞、基本動詞、that や than や thing や way ... じわりじわり、英語がわかってきたという嬉しさが確かにあった。むろんいま振り返れば、それこそ乳臭い思い上がりにすぎない。ただ、もし当時この辞書にめぐりあわなかったら自分の翻訳のレベルはどの程度であったかと思うと、少なからずぞっとする。(岩波新書『辞書を語る』所収の「私のつくってみたい辞書」より)
そういえば、3月に竹下和男『英語天才  斎藤秀三郎―英語教育再生のために、今あらためて業績を辿る』(日外アソシエーツ)という本も出たばかり。少々高いので当分は買えないが、このような「英語名人」の方々についての本は刺激的なので、できるかぎり集めたいとおもっている。

以下は、本日そのほかに買った本。

・ジョイス 『ユリシーズ①~③』 (柳瀬尚紀訳、河出書房新社)
・小林昭 『THE GREAT MINI FOREVER』 (企画室ネコ)
・イザベル・アジェンデ 『エバ・ルーナ』 (国書刊行会)
・堀江敏幸編 『記憶に残っていること』 (新潮クレストブックス)
・『ワイエス展 ヘルガ』 (平成2年)
・『ペーテル・ブリューゲル版画展』 (昭和47年)
by anglophile | 2011-05-14 20:56 | 古本 | Comments(0)