2010年 12月 16日
Sketches of Kaitan City
映画『海炭市叙景』が、今週末から北海道・関東を中心に公開される(函館ではもう始まっています)。で、外国人の映画ジャーナリストの方々もきっとコンペとかですでに観ているはずだろうから、英文のレビューもどこかに載っているはずだと思い、ネット上を探してみた。

2つ見つかったので、ちょっとだけここに紹介しておこう。いずれも好意的な評で、まだ映画を観ていない私は早く観たいなあとおもってしまう。ちなみに、英語のタイトルは Sketches of Kaitan City となっている。悪くないが、さすがに日本語の「叙景」という言葉のたたずまいには敵わないだろう。

1つ目は、アメリカのVariety という映画雑誌のHPより。Russell Edwards という人が書いた評。一部を引用する。
Takashi Ujita's script builds in an assured manner, suggesting a combination of Raymond Carver's keen eye for character with Ken Loach's detached compassion for the working classes. Unlike most vignette-driven movies, Kumakiri's film has no weak links; each of these powerful stories (taken from a collection of 18 by Yasushi Sato) acts as a narrative building block.
脚本の良さについて述べた箇所。レイモンド・カーヴァーの鋭い人物描写とケン・ローチの労働者階級を一歩引いた眼で捉える描き方の融合、といったところか。そんな私は、ケン・ローチを観たことがない(勉強不足)。また、オムニバス形式の映画にありがちな関連性の弱さは見られないと書かれている。この点は私もずっと気になってはいて、もともと18あるエピソードから5つだけを抜き出して1本の映画にするというのはけっこう難しいことなのではないかとおもったりするのだが。

このことに関しては、もう1つの英文レビューにも簡単に触れられている。こちらのレビューは、Nicholas Vroman という人のa page of madness というブログ(?)から。
Director Kazuhoshi Kumakiri takes 5 of these stories and crafts an extraordinary downbeat parable of the contemporary disillusion.
この方も、選ばれた5つの挿話が現代の空虚をうまく描き出していると書いている。ということで、この2つの評を読むかぎり、あまり心配はいらないようだ。あとは、自分の眼で確かめてみたい。ちなみに、監督名は Kazuhoshi ではなく、Kazuyoshi が正しいです。
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by anglophile | 2010-12-16 20:40 | 映画 | Comments(0)


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