2010年 11月 13日
久しぶりに休みの土曜日
紅茶をワンカップいただいてから、どこか本屋にでも行きましょうか、ということになった。私のリクエストで、まず近くの文圃閣へ足を運ぶ。2日前にも行ったのだけれど、そのときは時間がなくてガレージ内の3冊500円だけしか見れなかったので、今日は久しぶりにお店の方も見ておきたかった。さっそく店に入り、入り口付近の棚から見ていく。透明なビニール袋に入った古めの雑誌類を見ていると、「久生十蘭」の文字を発見。
・『別冊宝石78号 久生十蘭・夢野久作読本』 (宝石社、昭和33年)
表紙が剥がれそうなのをセロテープで止めてあり、ページも途中30ページくらい欠落していて、なんだかとんでもない状態になってはいるものの、250円なら迷わない。もっぱら十蘭への興味から買うことにする。十蘭の収録作品は、「金狼」、「湖畔」、「ハムレット」、「墓地展望亭」、「鈴木主水」、「母子像」の6作品。「読本」ということで、その他に「二人の鬼才を偲ぶ」と題して大下宇陀児、水谷準、土岐雄三による座談会、中島河太郎の評論「久生十蘭と夢野久作」、久生幸子「あの日」、今日出海「十蘭憶い出すまま」が収められている。こういうのは持っていることに意味があるのだ(と自分に言い聞かせてみる)。
次にガレージ内の均一棚へ。2日前にチェック済みだったが、あらたに欲しい本を見つけることができた。二玄社の『文士の筆跡』シリーズ。これは全5巻あるが、そのうちの最初の3冊(『作家篇Ⅰ』、『作家篇Ⅱ』、『詩人篇』)があったので買う。3冊で500円というのがうれしい。来てよかった。
そのあとまた龜鳴屋さん宅に戻る。すると、奥様が「えっ!?今までずっと文圃閣にいたの?」と言われて、龜鳴屋さんも私も少し苦笑い。古本者であるための条件のいくつかを頭に思い浮かべた。
・1つの店に1時間以上いることができる。
・しかも、1時間以上経ったことに気づかずにいることができる。
・そして、1時間以上いることのできる古本屋があることの幸せをかみしめることができる。
以上の3点を再確認した次第。
さて、いろいろとお話をうかがっていたら、少し外が暗くなってきた。そこで、もう1軒行きましょうか、ということになり、龜鳴屋さんの車でブックオフ西インター店へ。いろいろセールをやっていたが、あまりめぼしいものがなく、私は105円棚から数冊買っただけだった。それでも、いつもは基本的に一人なので、他の方と行くのもまた愉しいものだと感じた。
再び龜鳴屋さん宅に戻り、ココアなどをいただいたりして、18時過ぎにお暇する。次回は一箱古本市@源法院でお会いできることを楽しみにしております。