2010年 10月 08日
短篇などあれこれ読む   
ここ1週間くらいで読んだものを書いておこう。

・Graham Swift, "Seraglio", "The Tunnel"

これらの短篇は、先日から紹介しているMaking an Elephant を買ったときに併せて買ったスウィフトの短篇集Learning to Swim and Other Stories (Picador)所収の最初の2つ。


・Sean O'Faolain, "Childybawn"

オフェイロンはアイルランドの作家。龜鳴屋さんからお借りした短篇集から。岩波文庫から出ている小野寺先生編集の『20世紀イギリス短篇選(下)』には「確実な人生」という短篇が入っている。学生時代に読んで以来だ。ところで、childybawn って、辞書に載っていない。どうやらアイルランドの方言みたいだが。


・Muriel Spark, "The House of the Famous Poet"

ミュリエル・スパークも学生時代以来だ。なつかしすぎ!やはり『20世紀イギリス短篇選(下)』にも1篇「豪華な置時計」というのが入っている。上の短篇は、南雲堂から出ているPast, Dream and Reality --- New British Writing という大学用テキストに入っている1篇。途中から突然シュールになるので、心の準備ができていず、周章狼狽。スパークって、けっこうこんなのが多いのかも。でも、書き出しがすばらしい。引いておこう。
In the summer of 1944, when it was nothing for trains from the provinces to be five or six hours late, I travelled to London on the night train from Edinburgh, which, at York, was already three hours late. There were ten people in the compartment, only two of whom I remember well, and for good reason.
なかなか良い書き出しだとおもう。訳してみると、
1944年の夏、私はエジンバラ出発の夜行列車でロンドンに向かった。当時は、地方からの列車が5時間や6時間遅れることはざらで、私の乗った列車もヨークに着いたときにはすでに3時間遅れていた。私がいた車両には乗客は10人いて、今ではそのうちの2人しか憶えていない。しかしこの2人のことはある理由で非常によく憶えている。


・Orhan Pamuk, "My Father's Suitcase"

パムクはトルコの作家で、2006年にノーベル賞をもらっている。これは『父のトランク --- ノーベル文学賞受賞講演』として邦訳も出ている。私はこの本は持っていないが、ノーベル財団のHPでいつでも英訳を読めるので便利だ。


・佐藤泰志 「そこのみにて光輝く」、「大きなハードルと小さなハードル」

あまりにも印象の強い『海炭市叙景』だが、ちょっと他のも読んでみようかということで。どちらもすばらしかった。外部描写と人物の内面の描写のブレンドが際立っている。すごい作家だ。
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by anglophile | 2010-10-08 00:38 | 読書 | Comments(0)


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