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2010年 08月 22日
新潮文庫のサマセット・モーム   
今日は久しぶりに某所へ。前回から本がさらに追加されているようだった。

・ルージュモン 『愛について(上)(下)』 (平凡社ライブラリー)
・水上勉 『宇野浩二伝(上)(下)』 (中公文庫)

などが105円、210円で出ていたので、次々とカゴに入れていく。新しい方の棚を一通り見終わってから、いつもの棚の方にさほど期待もせずに行ってみるとびっくりした。新潮文庫のモームがずらっと並んでいるではないか。しばし我を忘れる。

今日拾ったのは以下の17冊!

・『女ごころ』 (昭和55年、29刷)
・『お菓子と麦酒』 (昭和55年、28刷)
・『太平洋 短篇集Ⅱ』 (昭和55年、26刷)
・『手紙・環境の力 短篇集Ⅲ』 (昭和51年、18刷)
・『園遊会まで 短篇集Ⅳ』 (昭和50年、18刷)
・『アシェンデンⅠ 短篇集Ⅴ』 (昭和51年、17刷)
・『アシェンデンⅡ 短篇集Ⅵ』 (昭和50年、15刷)
・『怒りの器 短篇集Ⅶ』 (昭和48年、18刷)
・『この世の果て 短篇集Ⅷ』 (昭和50年、20刷) 
・『十二人目の妻 短篇集Ⅸ』 (昭和47年、15刷)
・『人間的要素 短篇集Ⅹ』 (昭和51年、22刷)
・『コスモポリタンⅠ 短篇集ⅩⅠ』 (昭和47年、14刷)
・『コスモポリタンⅡ 短篇集ⅩⅡ』 (昭和51年、17刷)
・『ジゴロとジゴレット 短篇集ⅩⅢ』 (昭和49年、16刷)
・『人生の実相 短篇集ⅩⅣ』 (昭和50年、15刷)
・『剃刀の刃Ⅰ』 (昭和50年、12刷)
・『剃刀の刃Ⅱ』 (昭和49年、10刷)

残念ながら、『要約すると』と『作家の手帳』はなかったが、これだけ揃っていれば十分である。

現在、新潮文庫から出ているモーム作品は、『人間の絆』、『雨・赤毛』、『月と6ペンス』の3作品だけのようである。したがって、この3作品はブックオフではよくお目にかかる。数年前に改版で出た『劇場』もすでに絶版のようだ。たまたま手元に1978年(昭和53年)と1979年(昭和54年)の「新潮文庫解説目録」があったので、両者におけるモームの収録作品を確認してみたら、ちょうど78年から79年にかけて多くの作品が絶版になったことがわかった。その絶版になった作品は以下の通り。

・『アシェンデン』
・『怒りの器』
・『この世の果て』
・『十二人目の妻』
・『人間的要素』
・『コスモポリタン』
・『ジゴロとジゴレット』
・『人生の実相』
・『劇場』
・『作家の手帳』

ちなみに、『剃刀の刃』は78年版にも載っていないので、さらにその前に絶版になったようだ。解説目録でこういうことを調べたりするのも面白い。
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by anglophile | 2010-08-22 20:53 | 古本 | Comments(0)
2010年 01月 22日
職場シリーズ②
仕事がたまって身動きが取れない今週。ストレスがたまるばかりだ。ちょっと息抜きにブログをば。私の職場はわりかし「自由な雰囲気」なので、それはありがたい。

仕事場の本棚にある一冊を手にとってみる。『ちくま文庫 ちくま学芸文庫 解説目録 2008』だ。いつのまにこんなのを持ってきたのだろう。ちくま文庫の解説目録は、書店においてあればもらうようにしている。たぶん本好きの方ならみなさん同じだと思う。

日々ブログを読ませていただいている方々は、やはりこういう目録を参照し、何が品切れ・絶版になったかを常にチェックされているようだ。たしか、古本ソムリエの山本善行さんも以前そういうことを書いておられたし、「読書で日暮らし」のTsubuteさんも絶版になった『八木重吉全詩集』を先日購入したという記事を書いておられた。私にはまだまだそういった細かさが足りないと自分で思う。

ということで、手元にある解説目録をぱらぱらめくってみる。便利なことに「品切れ一覧表」が付されている。目についたのが、『井伏鱒二文集』(全四巻)である。これはたしかいつも行くブックオフが三年前だったかに開店したときに、四冊揃って出ていたのを覚えている。一〇五円ではなかったので、第一巻「思いでの人々」のみを買うにとどまったのだった。当然いつのまにか残りの三冊はなくなっていった。今思えば全部買っておくべきだったと思う。アマゾンで調べると、結構いい値がついている巻もある。

一〇五円ではなくても、半額であれば買っておくべき本があるということを学んだ次第です。修行はつづく。
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by anglophile | 2010-01-22 17:11 | 古本 | Comments(0)
2010年 01月 04日
『講談社文芸文庫解説目録』
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実家に帰った折に、珍しいのではないかと思い、持って帰ってきた講談社文芸文庫の解説目録である。残念ながら、ボールペンによる書き込みや線引きが多数ある。すべて私が書いたもの。表紙に書いた「53,52,51」という数字が何を意味するのかはもう思い出せない。

これは文芸文庫の創刊三〇〇冊刊行を記念して無料配布されたものである。表紙には「1994年12月現在」とあるので、もう一五年も前のことである。たしか金沢のどこかの書店でもらってきたはず。総ページ数は六〇頁である。この薄さは昭和初年の岩波文庫の解説目録を思い起こさせる、といったら肩入れしすぎだろうか。見返しには「文芸文庫自身のためのマニフェスト」が標榜されている。
はじめこの文庫は、純文芸という壁、内容は別にして文庫にしては高価という二重の壁に拒まれ、敬遠されがちでしたが、群が二〇〇を超え二五〇冊になると、逆に、多くの具眼の士たちの支持を得、熱い声援をいただくようになりました。
これを読むと、出版社側の創刊後の不安な様子が分かる。この頃は海外の作品はまだほとんど収められておらず、日本文学が中心であった。外国文学といえば、青柳瑞穂訳の『マルドロオルの歌』ぐらいか。この直後には、日夏耿之介の『ポオ詩集』や『ワイルド全詩』なども出ている。どちらも現在絶版である。さらに数年後には、ロブ・グリエとかフォークナーが文芸文庫から出始めたことを個人的に記憶している。

文芸文庫には絶版になっているものも多いので、やはり解説目録は重宝する。とはいえ、この「三〇〇冊記念」のものは大して役には立たず、全体を網羅したものがほしいところである。
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by anglophile | 2010-01-04 22:28 | 古本 | Comments(0)
2009年 12月 28日
本の山、増量中!   
今年最後のブックオフ巡り。買ってきた本の山を眺めて、いったい私はどこへ行こうとしているのかと自分に問うてみるが、答えは見つからない。

・『yom yom vol.1~9』 (新潮社)

これまで『yom yom』にはほとんど注目してこなかったが、南陀楼綾繁さんが「小説検定」を連載していることを最近知り、興味を持ったばかりだった。実際に内容を見てみると、「小説検定」以外でも、「私の本棚」「人生の三冊」「イッキ読み」シリーズが興味を惹く。すべて一〇五円だったので、この機会にまとめて購入。残りのvol.10~12もそのうちどこかで出会えるはず。

・井伏鱒二 『屋根の上のサワン』 (角川文庫クラシックス)
・安岡章太郎 『なまけものの思想』 (角川文庫)
・町田康 『壊色』 (ハルキ文庫)
・富岡多恵子 『うき世かるた』 (集英社文庫)
・佐伯一麦 『川筋物語』 (朝日文庫)

・江戸川乱歩 『江戸川乱歩全集 第10巻 大暗室』 (光文社文庫)
・大西巨人 『深淵(上)(下)』 (同上)

・宮脇俊三 『途中下車の味』 (新潮文庫)
・堀江敏幸 『河岸忘日抄』 (同上)
・太田治子 『青春失恋記』 (同上)
・幸田文 『北愁』 (同上)

・小林信彦 『怪人オヨヨ大統領』 (ちくま文庫)
・佐野洋子 『友だちは無駄である』 (同上)

・庄野潤三 『絵合せ』 (講談社文庫)
・吉行淳之介 『石膏色と赤』 (同上)
・安岡章太郎 『走れトマホーク』 (同上)

・山本夏彦 『笑わぬでもなし』 (文春文庫)
・江國滋 『アメリカ阿呆旅行 わん・つう・すりー』 (同上)

・『ちくま日本文学全集 福永武彦』 (筑摩書房)
・『ちくま日本文学全集 中野重治』 (同上)

・『ジョン・レノン ラスト・インタビュー』 (池澤夏樹訳、中公文庫)
・色川武大 『いずれ我が身も』 (同上)
・野坂昭如 『戦争童話集』 (同上)
・真鍋博 『発想交差点』 (同上)

・金井美恵子 『あかるい部屋のなかで』 (福武文庫)
・水上勉 『地の乳房 (上)(下)』 (同上)

・堀江敏幸 『いつか王子駅で』 (新潮社)
・古井由吉 『楽天記』 (同上)
・古井由吉 『櫛の日』 (河出書房新社)

・チェーホフ 『カシタンカ・ねむい 他七篇』 (神西清訳、岩波文庫)
・里見弴 『今年竹 後篇』 (同上)
・『岩波文庫解説総目録 1927~1996 全3冊』 (同上)

『目録』は三冊なのに、なぜか一〇五円なのがうれしい。参照用に購入。『今年竹』は後篇だけなのが玉に瑕。チェーホフは昨年出たもので、訳者である神西清のチェーホフ論が二編収められているのでお買得である。

二冊で四〇〇円セールなどはやっていなかったので、文芸文庫は拾えなかったのが心残り。でもまあ、一〇五円でこれだけ買えれば十分である。
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by anglophile | 2009-12-28 16:20 | 古本県外遠征 | Comments(0)
2009年 10月 19日
『岩波文庫分類總目録』
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しばらく前に入手した「昭和十年五月現在」の岩波文庫目録である。山本善行さんや岡崎武志さんの影響で、目録にまで手が伸びるようになった。けっこう古いものであるが、お二人にはかなわない。山本さんの『関西古本赤貧道』には昭和四年の目録の、『少々自慢 この一冊』(EDI叢書)には岡崎さんの所有する昭和五年の目録の書影が載っている。

岡崎さんの文章によると、昭和五年版は「一ページに六点で、本文四十二ページ、全部で訳二百五十点」だそうだ。昭和十年版は「1ページに5点、本文82ページ」です。5年間で2倍弱の刊行数になったことが分かる。パラパラめくっていたら、面白い記述があったので引いておく。「ヂ」ェイムズ・「ヂ」ョイスの『ユリシーズ』である。

現代世界文學に於けるヂェイムズ・ヂョイスの位置は正に太陽のそれである。ヂョイスなくして恐らく二十世紀文學の太陽系は存在し得なかつたであらう。そしてヂョイスの今日をあらしめたものは実に『ユリシイズ』一篇である。ダブリンの一平凡人ブルームが一日二十四時間以内に経験した外面的並びに内面的生活を精細に記録することに依つて作者は比類ない人類の叙事詩を構成した。フロイト=ユングの洗禮を受けた現代人は無意識の世界にまで掘り下げた『ユリシイズ』の如き小説に於てでなくては人生の眞の全部は把握し得ないであらう。異常な頭脳と感覚を持てるヂョイスは人間の感じ得る最大限を感じ、人間性の堪え得る最大限の冷厳なる理智を以て之を表現した。而してその表現に使用したテクニークは過去のあらゆる文學的方法の一大綜合であり且つ新しい大胆な実験でもあつた。小説の革命。その影響は全世界に及び、日本の文壇にも新心理主義となつて現はれた。然し日本に於けるヂョイスへの理解は、恐らくそのテキストの難関の故に、全的とは言ひ難い。今『ユリシーズ』の全訳を世に送る所以はここにある。
昭和十年は1935年であり、ユリシーズの出版(1922年)から13年間で、「ヂョイスなくして恐らく二十世紀文學の太陽系は存在し得なかつたであらう」と断言しているところがすごいというか、大胆というか。まだ残り65年もあるというのに(笑)。とはいえ、伊藤整らがその数年前(1931~33年)に『ユリシイズ』として邦訳を出しているので、その評価はすでに固まっていたと考えることもできるかもしれない。

この目録の解説でもう1つ興味深いのは、作品名を最初は『ユリシイズ』と記しているが、最後に『ユリシーズ』と言っている点だ。これが単なる不注意による記述なら笑って済ませるところだが、もしかしたら伊藤整らの『ユリシイズ』に対抗する野心から、新たに『ユリシーズ』という邦題を採用したのであれば、凄まじい気概と言えるかもしれない。当時の翻訳事情はよく知らないが、そう考える方が面白いことだけは確かだろう。
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by anglophile | 2009-10-19 21:14 | 古本 | Comments(0)