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2009年 12月 04日
コナン・ドイルの短篇集
前エントリーで一五年前に訪れたダブリンの話をしたが、そのときの思い出話をもう一つ。六月にしては肌寒い、小雨の降るダブリンの街をあてもなく散策していると、一軒の古本屋の前を通りかかった。このときに買った本の一冊がこれである。
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Arthur Conan Doyle, The Conan Doyle Stories, (Galley Press)である。発行年がはっきり示されていない。少し調べてみると、八〇年代にイギリスで出版されたと判断できるようだが。カバーがあったのなら、これは裸本ということになる。見返しには「£5.00」と鉛筆で書かれている。私が訪れた一九九四年はまだアイルランド・ポンドが使われていたのだ。その後、現在の通貨がユーロになってしまった。ちなみに、現物が今手元にないので何ポンドの紙幣だったか忘れたが、以前のポンド紙幣の一つにジョイスの肖像が印刷されていた。今はもう使われていないのだろう。

ドイルといえば、なんと言ってもホームズである。しかし、私はその数年前に新潮文庫の『ドイル傑作集(一)~(三)』を夢中で読んだことがあった。訳者の延原謙が「解説」でこう書いている。

ドイルは死の前年すなわち一九二九年に、(ホームズ以外)の短篇作品をばらばらにほぐし、同種類のものを集めて一編となし、さらにこれを千二百ページ十編の大冊にまとめ、コナン・ドイル・ストリーズとして出版した。
これを読んだら当然もっと他の短篇も読みたくなるわけで、大学の図書館で調べてみたが残念ながらそこにはなかった。しかしその数年後、遠いダブリンの地でその短篇集を見つけることになり、その時は小躍りした。

さて、この短篇集にはあわせて七六篇の短篇が一〇のカテゴリーに整理されて収められている。見た目同様にボリューム満点である。そのカテゴリーとは、

①Tales of the Ring
②Tales of the Camp
③Tales of Pirates
④Tales of Blue Water (新潮文庫『海洋奇談編』)
⑤Tales of Terror (新潮文庫『恐怖編』)
⑥Tales of Mystery (新潮文庫『ミステリー編』)
⑦Tales of Twilight and the Unseen
⑧Tales of Adventure (新潮文庫『冒険編』)
⑨Tales of Medical Life
⑩Tales of Long Ago

現在、新潮文庫で入手可能なのは④⑤⑥の三冊のみである。しかし、昔はこれとは別の体裁で八冊ほど出ていたらしい。私は⑧を古本で持っている。それにしても、なんで三冊だけになってしまったのだろう。けっこう面白いからそこそこ売れると思うんだけど。ちなみに、新潮文庫の他に、創元推理文庫からも別の編集で五冊(四冊?)出ているようだが、これは未確認である。今度書店で確認してみたいところである。
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by anglophile | 2009-12-04 19:20 | 古本 | Comments(0)
2009年 10月 11日
古本ソムリエとの出会い   
11月号の『中央公論』に、古本ソムリエこと山本善行さんの「善行堂」開業に至るまでを綴った文章が載っている。私が「古本の道」に足を踏み入れるきっかけとなったのが、この山本さんの文章だった。あれは今からちょうど2年前。同じ『中央公論』(2007年10月号)に、京都の古本屋巡りを紹介する山本さんの記事が載った。一読し、その「道」に魅了された。そこから『関西赤貧古本道』『古本泣き笑い日記』と進み、そしてブログ「古本ソムリエの日記」に辿り着いたのだった。ブックオフで100円、200円にこだわることも山本さんから教わった(と勝手に思っている)。また、上林暁、尾崎一雄、小沼丹、野呂邦暢といった固有名詞を知ったのも山本さんの著作を通じてだった。

あのときは、10月の連休を利用して、矢も楯もたまらず京都に行ったのだった。『中央公論』片手に京都の街を歩き回り、充実した時間を過ごしたことが懐かしく思い出される。あのときの『中央公論』はところどころページがめくり上がったり、折れたりしているが、今も大切に取ってある。

去年、今年と「下鴨納涼古本まつり」にも参加した。今年は開店して間もない「善行堂」にも寄ろうと思ったのだが、タイミングが合わなくてそれがかなわなかった。『中央公論』にも店内を写した写真が載っている。清潔感あふれる店内である。いつか行ってみたいものだ。

中央公論 2009年 11月号 [雑誌]

中央公論新社

関西赤貧古本道 (新潮新書)

山本 善行 / 新潮社

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by anglophile | 2009-10-11 22:48 | 古本 | Comments(0)
2009年 10月 04日
今日も100円均一にて
今日はブックオフではなく、地元のスーパーにある100円均一に行く。ここはいわゆる「100円ショップ」なのだが、そこの一角に古本屋が文庫本中心に100円均一をやっている。たまに行くと、それなりに満足行く買い物ができる。今日買ったのは、以下の11冊。

・石川淳   『狂風記 (上)(下)』 (集英社文庫)
・大岡昇平 『靴の話 大岡昇平戦争小説集』 (同上)
・大岡昇平 『中原中也』 (講談社文芸文庫)
・梅崎春生 『桜島/日の果て/幻化』 (同上)
・開高健   『白いページ Ⅱ』 (角川文庫)
・泉鏡花   『婦系図』 (新潮文庫)
・野坂昭如 『野坂昭如雑文の目 Ⅰ』 (ケイブンシャ文庫)
・山本夏彦 『「戦前」という時代』 (文春文庫)
・『新潮文庫解説目録-’78』
・『新潮文庫解説目録-’79』

『中原中也』は前々から読みたいと思っていた本で、まさか100円で拾えるとは思わなかった。梅崎春生に関しては、昨年新潮文庫から改版新刊で『桜島/日の果て』が出ており、町田康が解説を書いていたので買ったが、文芸文庫なのでもちろん買う。開高の『白いページ』は3分冊のうちの1冊。8月に光文社文庫から『白いページ―開高健エッセイ選集』というのが出たばかり。新潮文庫の解説目録は、「均一小僧」こと岡崎武志さんにあやかってなんとなく買ってみた。30年前のものだから、それなりに価値はあるだろう。

このあと帰りに金沢文圃閣の前を通ると、開いていた!開店日は土曜日ではなかったっけ?もちろん寄る。入り口の100円均一コーナーに緑の岩波文庫が積まれていた。線引きがあるものが多く、あまり食指が動かなかったが、線引きのない次の2冊を購入。

・永井荷風 『雨瀟瀟・雪解 他七編』 (岩波文庫)
・安岡章太郎 『良友・悪友』 (新潮文庫)

荷風の短篇「雨瀟瀟」は、以前、『文士の意地-車谷長吉撰短篇小説輯』に収められていて読んだのだった。この岩波文庫版は現在絶版だろうか?安岡章太郎の文庫は現在収集中である。この『良友・悪友』は初版(昭和48年)で、帯が付いていた。この時代の新潮文庫の帯を見るのは初めてだったが、デザインがシンプルでなかなか佳い。時代を感じさせる、といえばよいだろうか。

今日も満足の行く一日であった。
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by anglophile | 2009-10-04 21:09 | 古本 | Comments(0)