<   2010年 03月 ( 11 )   > この月の画像一覧

2010年 03月 31日
『ピストルズ』
c0213681_2164838.jpg
阿部和重『ピストルズ』(講談社)をようやく入手した。当初書店で購入しようと思っていたが、講談社のHPを見ていたら、著者サイン本が100冊限定で販売されていたので、どうせならということでそちらで注文した。東京ではサイン会も毎回やっているようだが、地方に住む者にとってはこういうサービスはありがたい。早めに気づいてよかった、よかった。

『ピストルズ』は群像に長期連載されていた。題名が、「拳銃」のpistolsと「めしべ」のpistilsを掛け合わせたものらしい。英語の発音は両者ともほぼ同じ。いつも思うが、阿部の題名の付け方にセンスを感じる。『インディヴィジュアル・プロジェクション』、『シンセミア』、『グランド・フィナーレ』、『プラスティック・ソウル』、『ミステリアス・セッティング』などなど、カタカナの題名が多いが、いわゆる「和製英語」ではなく、英語の本当の意味と掛け合わせているところがうまいなあと思う。

この作品は『シンセミア』に続く「神町サーガ第二作」という位置づけである。「神町(じんまち)」とは阿部の出身地である山形県にある町の名前である。テーマは「植物」。これから読むのが楽しみである。
[PR]

by anglophile | 2010-03-31 21:28 | 読書 | Comments(0)
2010年 03月 27日
つげ義春
本日の収穫。

・つげ義春 『無能の人・日の戯れ』 (新潮文庫)
・あらえびす 『名曲決定盤(上)(下)』 (中公文庫)
・森鴎外 『舞姫 ヰタ・セクスアリス』 (ちくま文庫)

はじめてつげ義春を読んでみた。「無能の人」の世界観に圧倒された。
[PR]

by anglophile | 2010-03-27 20:44 | 古本 | Comments(0)
2010年 03月 26日
出かけたついでに
・庄野潤三 『屋上』 (講談社)
・庄野潤三 『ザボンの花』 (福武文庫)
・夢枕獏編 『釣りにつられて』 (同上)
・石牟礼道子 『苦海浄土』 (講談社文庫)
・ドナルド・キーン 『碧い眼の太郎冠者』 (中公文庫)
[PR]

by anglophile | 2010-03-26 11:47 | 古本 | Comments(0)
2010年 03月 22日
馬鹿的思考
穂村弘『本当はちがうんだ日記』がおもしろくてやめられない。この人も古本の世界をよく知っていらっしゃるようだ。
 どんなかたちでも本は内容が読めればいい、と云うひとがいる。真っ当な意見で、そう云いきれるのは羨ましいのだが、私には最早そうは思えなくなってしまっている。情報としてではなく、どうしてもモノとしてそれをみてしまうのだ。それもただのモノではなく、オーラに包まれたモノだ。
 そういう目で本をみるようになると、読まないものを買ってしまうのが困る。文庫で読める詩集も、初版本でしかも詩句の一節が著者の自筆で入っていたりすると、特別な御利益があるように感じてしまうのだ。その本を部屋に置いておけば、長い時間のうちに少しずつ自筆部分を含む紙の繊維が空気中に流れ出して、それを吸い込むことで、私も詩人としてレベルアップするのではないだろうか。
 オーラを求める心は、新本よりも古本、しかも定価より安い本には反応せず、高くなっているような本にときめくことになる。そこにはモノとしての付加価値が潜んでいるからだ。(「馬鹿的思考」)
あるとき、外出中に寄った古本屋にサンリオSF文庫がずらっと並んでいた。一冊八〇〇円ということで、興奮した穂村さんは三〇冊以上買ってしまう。家へ帰って、ネットから「サンリオSF文庫全リスト(入手難易度付き)」をプリントアウトする。この時点で相当な腕前の持ち主であることがわかる(笑)。
 本日の獲物のなかにどれくらいレアなものが混ざっているかを確認して、どきどきしたり、うっとりしたりする。本読みとして明らかに邪道、しかし至福のときだ。
 これもこれもこれも買えたぞ。待てよ、ここまでくれば、その気になれば全冊収集可能じゃないか、などと思考が暴走しはじめる。この段階では完全に集めることが目的化してしまうのだ。「全リスト」によって対象の全体像がみえたことで、その欲望に拍車がかかる。(同上)
「集めることが目的化してしまう」というところで私もうんうんとうなずいた。そうやって今日もまたいろいろと買ってきてしまった。

<一〇五円単行本>
・庄野潤三 『子供の盗賊 自選随筆集』 (牧羊社)
・八木義徳 『文章教室』 (作品社)
・野見山暁治 『一本の線』 (朝日新聞社)
・吉田秀和 『人生を深く愉しむために』 (海竜社)
・E・エティンガー 『アーレントとハイデガー』 (みすず書房)
・小林信彦 『コラムにご用心』 (筑摩書房)
・小林信彦 『コラムは誘う』 (新潮社)
・西川正身 『アメリカ文学研究余滴』 (研究社)

私にしては上出来です。

<一〇五円文庫本>
・アラン・シリトー 『ノッティンガム物語』 (集英社文庫)
・アラン・シリトー 『ウィリアム・ポスターズの死』 (同上)
・小林信彦 『東京少年』 (新潮文庫)
・谷内六郎 『谷内六郎展覧会〈秋〉』 (同上)
・江藤淳 『荷風散策 -紅茶のあとさき-』 (同上)
・芥川龍之介 『蜘蛛の糸・杜子春』 (同上)
・内田百閒 『クルやお前か』 (旺文社文庫)
・高島俊男 『お言葉ですが・・・⑦ 漢字語源の筋ちがい』 (文春文庫)
・宮本輝編 『魂がふるえるとき 心に残る物語-日本文学秀作選』 (同上)
・森博嗣 『すべてがFになる』 (講談社文庫)
・野坂昭如 『色即回帰』 (同上)

シリトーの集英社文庫はネット書店では普通に売っているようだが、リアル古本屋ではなかなかお目にかかれないのではないか。谷内六郎はみなさん結構普通に拾っているようですが、私は初めてお目にかかれた。うれしい。芥川のはなんてことはない文庫だが、これは例のカバーがキラキラしたカラフルなやつ。「限定SPECIALカバー」というらしい。全部で一〇冊出た。ひそかに集めている。
[PR]

by anglophile | 2010-03-22 22:47 | 古本県外遠征 | Comments(0)
2010年 03月 20日
三連休初日   
今日から三連休。午前中は仕事があったが、午後から出かけることができた。気温が二五度ぐらいまで上がり、なんともえない陽気で、気持も浮き立った。ブックオフも年度末決算セール中なので、数軒を集中的に見て回る。

<二冊四〇〇円>
・丸谷才一編 『やわらかい話 吉行淳之介対談集』 (講談社文芸文庫)
・丸谷才一編 『やわらかい話2 吉行淳之介対談集』 (同上)
・穂村弘 『世界音痴』 (小学館文庫)
・ブルガーゴフ 『悪魔物語・運命の卵』 (岩波文庫)
・福永武彦訳 『現代語訳 古事記』 (河出文庫)
・福永武彦訳 『現代語訳 日本書紀』 (同上)

吉行の対談集は久しぶりに文芸文庫らしい文芸文庫だったので嬉々とする。穂村弘は、数日前に買った『本当はちがうんだ日記』と波長が合ったので、即カゴに入れた。この人はすごい人だ。ブルガーゴフのはあまり見かけないが、調べたら絶版だった。『古事記』と『日本書紀』は新しめの河出文庫なので買わないわけにはいかない。

<一〇五円>
・東野圭吾 『探偵ガリレオ』 (文春文庫)
・長嶋有 『タンノイのエジンバラ』 (同上)
・鹿島茂 『衝動買い日記』 (中公文庫)
・石川九楊 『「書く」ということ』 (文春新書)
・ジョイス 『ユリシーズ④~⑥』 (柳瀬尚紀訳、河出書房新社)

石川九楊の本には、平野啓一郎の『日蝕』について書かれた一節(批判?)があり興味を惹かれた。

<おまけ>
・『動詞を使いこなすための英和活用辞典』 (朝日出版社)

これは一〇五円だったが、表紙のどこにも値段表示がない。調べてみたら、四千円ほどするらしい。たぶん値段表示がわからなかったので、一〇五円になったのだろう。これは僥倖である。

さて、今日行った全店で単行本半額セールをしていたが、結局一冊も買わなかった。しかし気になるものが数冊あったので書き留めておく。

・開高健 『一言半句の戦場』 (集英社) ¥850くらい
・片岡義男 『半分は表紙が目的だった』 (晶文社) ¥650くらい
・車谷長吉 『雲雀の巣を捜した日』 (講談社) ¥450くらい

開高の本はこの値段ならふつう喜んで購入するところなのだが、いかんせん表紙のヨレがひどく、思いとどまってしまった。一〇五円でもいいんじゃないだろうか。とはいえ、これを書いている今も少し迷っている。買っておくべきだったか?片岡さんの晶文社本はタイトルがいい。一〇〇冊のペーパーバックのカラー写真とともにそれぞれの本を買ったときの思い出が綴られている。車谷さんの随筆集はそろそろ文庫されそうな気配もあり逡巡する。この本には、山本善行さんの『関西赤貧古本道』でもふれられている車谷さんの文庫蒐集の話が収められており、本当は買っても良かったのかもしれない。

まだ来週までセール期間中なので、上記三冊についてはもう少し考えてみよう。でも、開高のは次行ったときには売れているだろうなあ。それなのに、手が出せなかったのが悩ましいところである。みなさんならどうするでしょうか?これを読んでいらっしゃる方で、もしよろしければご意見をお聞かせくださいませ。

明日は懲りずに福井遠征を計画しています。
[PR]

by anglophile | 2010-03-20 23:51 | 古本 | Comments(0)
2010年 03月 19日
出張後のリハビリ
先週末から海外出張で五日間留守にしていた。どうせなら英語圏へ行きたかったなあ。唯一の慰みは、読みかけのまま持っていった『禁酒宣言 上林暁・酒場小説集』(ちくま文庫)をホテルの部屋で読んだことだった。どの短篇も味わい深いものばかりだった。坪内祐三さんの解説もよかった。

さて、今日はその代休ということでのんびりしていたが、昼すぎから古本の虫がうずいたので、文圃閣へ。やってませんでした。残念。結局「ブ」へ。

・森銑三 『落葉籠(上)』 (中公文庫) ¥550
・坪内祐三 『考える人』 (新潮文庫) ¥300

新しめの文庫は一〇五円でなくても積極的に行きたいものだ!

・森博嗣 『冷たい密室と博士たち』 (講談社文庫)
・森博嗣 『黒猫の三角』 (同上)
・東野圭吾 『予知夢』 (文春文庫)

このあたりは一〇五円なら積極的に行く!

・穂村弘 『本当はちがうんだ日記』 (集英社文庫)
・鹿島茂 『乳房とサルトル』 (光文社知恵の森文庫)
・戸板康二 『歌舞伎十八番』 (中公文庫)
・新潮文庫編集部編 『百年目』 (新潮文庫)
・文藝春秋編 『こんな人たち アンソロジー 人間の情景4』 (文春文庫)
・村田喜代子 『真夜中の自転車』 (文藝春秋)
・J・ケラワック 『地下街の人びと』 (新潮社)
・松尾スズキ 『同姓同名小説』 (ロッキング・オン)

いつも行く「ブ」が年度末決算セールのようなものをやっていた。単行本が半額だったが、結局そこでは買えなかった。こういうときに無理して買わないことも大切。うん、大切。
[PR]

by anglophile | 2010-03-19 01:13 | 古本 | Comments(0)
2010年 03月 10日
ナショナル・ストーリー・プロジェクト
内田樹さんのブログに『ナショナル・ストーリー・プロジェクト・ジャパン』という企画の案内が告知されていた。オッ!と思った。これはもちろんポール・オースターがアメリカで行った企画の日本版ということになるだろう。オースターはラジオで一般の人たちからの「本当にあったウソみたいな話」を募り、気に入ったものを自身がラジオで朗読して聞かせるというプログラムを行っていた。これらはアルクからCD付きの五巻本で出ているし、新潮文庫からも二冊ほど出ている。興味深い話が多く、繰り返し読み返している本の一冊である。内田さんのところにこういう企画の話が持ち込まれるというのがなかなか面白い。しかも、メンバーが内田さんと高橋源一郎氏で、柴田元幸氏にも協力を要請するという。果たしてどのような企画になるのか!?
[PR]

by anglophile | 2010-03-10 14:19 | 読書 | Comments(0)
2010年 03月 07日
ちょっとだけブックオフ   
<一〇五円>
・赤瀬川原平 『ちょっとだけ触っていいですか』 (ちくま文庫)
・森茉莉 『父の帽子』 (講談社文芸文庫)
・『ちくま日本文学全集 稲垣足穂』 (筑摩書房)
・群ようこ 『尾崎翠』 (文春新書)
・忌野清志郎 『十年ゴム消し』 (六興出版)

キヨシローの詩集をやっと見つけることができた。昨年亡くなられてから、その著書のことを知った俄ファンにすぎないが、なかなかお目にかかれなかった。いつも「芸能」の棚を見ていたのだが、今日は「詩集」の棚にあった、のが少しうれしかった。
[PR]

by anglophile | 2010-03-07 21:06 | 古本 | Comments(0)
2010年 03月 06日
久しぶりのクジラ   
今日のブックオフ。

<一〇五円>
・倉橋由美子 『わたしのなかのかれへ (下)』 (講談社文庫)
・海老澤敏 『巨匠の肖像 ヴァーグナーからガーシュウィンへ』 (中公文庫)
・野坂昭如 『エロスの妖精たち』 (同上)

<二冊四〇〇円>
・小林秀雄 『栗の樹』 (講談社文芸文庫)
・藤枝静男 『田紳有楽/空気頭』 (同上)
・山田詠美編 『幸せな哀しみの話』 (文春文庫)
・安原顕編 『ジャンル別 文庫本ベスト1000』 (学研M文庫)

まずまずだろうか。
[PR]

by anglophile | 2010-03-06 20:53 | 古本 | Comments(0)
2010年 03月 06日
クリストフ・ヴァルツのスピーチ
三月といえば、アカデミー賞の季節である。ここ何年かで映画館で見たのが『イングローリアス・バスターズ』だけという門外漢がああだこうだいってもしかたないのだが、思い入れのあるタランティーノの作品だからなんとかがんばってほしいなあ、と陰で応援している。この映画もいくつかの部門でノミネートされていて、作品賞や監督賞は難しそうだが、クリストフ・ヴァルツの助演男優賞受賞はかなり現実的なようだ。

アカデミー賞の授賞式は来週あるのだが、一足先に前哨戦であるゴールデン・グローブ賞が発表されている。今日スカパーでそのゴールデン・グローブ賞の授賞式が録画放送されていた。お目当てのクリストフ・ヴァルツは最優秀男優賞を受賞していて、その受賞スピーチを見ることができた。それはもうすばらしいスピーチだった!
A year and a half ago, I was exposed to the gravitational forces of Quentin Tarantino. And he took my modest little world, my globe, with the power of his talent and his words and his vision. He flung it into his orbit. A dizzying experience. ... This whole planetary system of collaborators assembled around Quentin. ... I needed reassurance. I was in awe, so I got this reassurance from the wonderful people ...
Quentin made a big bang of a movie, and I wouldn't have dared to dream that my little world, my globe, would be part of that constellation. And now you've made it golden. Thank you very, very much.
タランティーノをひとつの大きな惑星に、そして共演陣や制作陣をその周辺をまわる星々に譬えている。ちっぽけな星であったヴァルツ自身もそのひとつに加えてもらったことに対して感謝しているという内容である。ゴールデン・グローブ(Golden Globe)という名の賞なので、惑星になぞらえたのだろうが、うまいなあと思った。準備してあったのか、それとも即興だったのかはわからないが、どちらにしてもヴァルツの知性を感じた。ますますファンになってしまいそうである。

それにしてもタランティーノは俳優の起用に長けている。一時期低迷していたハーヴェイ・カイテルやジョン・トラボルタを復活させたのもタランティーノといっていいだろう。ティム・ロスやサミュエル・L・ジャクソンも忘れてはならないだろう。サミュエル・L・ジャクソンなんて、『パルプ・フィクション』がなかったら、『スター・ウォーズ』に出演する機会はまずなかっただろう。そして今回のクリストフ・ヴァルツである。アカデミー賞を取ろうと取るまいと、今後ヴァルツが役者としてひっぱりだこになるだろうと私は予想している。この人たちはタランティーノに足を向けて寝ることができないといってもいいすぎではあるまい。

ちなみに、『イングローリアス・バスターズ』の魅力については内田樹さんがすでにブログで書いていらっしゃる。さすがの分析である。興味のある方はこちらからどうぞ。
[PR]

by anglophile | 2010-03-06 03:41 | 映画 | Comments(0)