<   2009年 12月 ( 16 )   > この月の画像一覧

2009年 12月 31日
What day is today?
気づけば大晦日、なんだか時の経つのが早く感じる。今日はいったい何曜日?

さて、今日は夕食を外で食べ、そのあと書店に寄ってきた。

・『ユリイカ 2010年1月号 特集・白川静』 (青土社)
・小山鉄郎 『白川静さんと遊ぶ漢字百熟語』 (PHP新書)
・川崎賢子編 『久生十蘭短篇選』 (岩波文庫)

『ユリイカ』を二カ月続けて買うのは久しぶり。白と黒のシンプルな、それでいて荘厳さを感じさせるデザインがもうたまらなく素敵である。執筆陣もまた魅力的な面々で構成されている。多和田葉子の文章は久しぶりに読んだ。やっぱり彼女らしい味(「白川モジロジー」とか「豆腐を壁に投げつけている感触」など)がそこにはあった。

この勢いでPHP新書の方も買ってしまった。小山鉄郎さんは白川漢字学を中高生にも広めたいという思いで『白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい』や『白川静さんに学ぶ 漢字は怖い』を書かれた方である。一〇万部を超えるベストセラーになった前者は先日新潮文庫にも入ったばかり。この二冊や今回のPHP新書もイラスト入りなので、本当に若い人たちにもオススメである。

『久生十蘭短篇選』は、昨夜いろいろな方の感想やらレビューやらを読んでいたら、我慢できなくなりました。正月休みにできれば読みたいと思う。

※白川静といえば、一方で谷沢永一の『紙つぶて 自作自注最終版』でかなり手厳しく批判されているのを思い出す。このことをふまえて、『ユリイカ』所収の高島俊男「両雄倶には立たず」を読むのも素人にしてみればまた一興であると付け加えておきたい。
[PR]

by anglophile | 2009-12-31 01:28 | 読書 | Comments(0)
2009年 12月 28日
本の山、増量中!   
今年最後のブックオフ巡り。買ってきた本の山を眺めて、いったい私はどこへ行こうとしているのかと自分に問うてみるが、答えは見つからない。

・『yom yom vol.1~9』 (新潮社)

これまで『yom yom』にはほとんど注目してこなかったが、南陀楼綾繁さんが「小説検定」を連載していることを最近知り、興味を持ったばかりだった。実際に内容を見てみると、「小説検定」以外でも、「私の本棚」「人生の三冊」「イッキ読み」シリーズが興味を惹く。すべて一〇五円だったので、この機会にまとめて購入。残りのvol.10~12もそのうちどこかで出会えるはず。

・井伏鱒二 『屋根の上のサワン』 (角川文庫クラシックス)
・安岡章太郎 『なまけものの思想』 (角川文庫)
・町田康 『壊色』 (ハルキ文庫)
・富岡多恵子 『うき世かるた』 (集英社文庫)
・佐伯一麦 『川筋物語』 (朝日文庫)

・江戸川乱歩 『江戸川乱歩全集 第10巻 大暗室』 (光文社文庫)
・大西巨人 『深淵(上)(下)』 (同上)

・宮脇俊三 『途中下車の味』 (新潮文庫)
・堀江敏幸 『河岸忘日抄』 (同上)
・太田治子 『青春失恋記』 (同上)
・幸田文 『北愁』 (同上)

・小林信彦 『怪人オヨヨ大統領』 (ちくま文庫)
・佐野洋子 『友だちは無駄である』 (同上)

・庄野潤三 『絵合せ』 (講談社文庫)
・吉行淳之介 『石膏色と赤』 (同上)
・安岡章太郎 『走れトマホーク』 (同上)

・山本夏彦 『笑わぬでもなし』 (文春文庫)
・江國滋 『アメリカ阿呆旅行 わん・つう・すりー』 (同上)

・『ちくま日本文学全集 福永武彦』 (筑摩書房)
・『ちくま日本文学全集 中野重治』 (同上)

・『ジョン・レノン ラスト・インタビュー』 (池澤夏樹訳、中公文庫)
・色川武大 『いずれ我が身も』 (同上)
・野坂昭如 『戦争童話集』 (同上)
・真鍋博 『発想交差点』 (同上)

・金井美恵子 『あかるい部屋のなかで』 (福武文庫)
・水上勉 『地の乳房 (上)(下)』 (同上)

・堀江敏幸 『いつか王子駅で』 (新潮社)
・古井由吉 『楽天記』 (同上)
・古井由吉 『櫛の日』 (河出書房新社)

・チェーホフ 『カシタンカ・ねむい 他七篇』 (神西清訳、岩波文庫)
・里見弴 『今年竹 後篇』 (同上)
・『岩波文庫解説総目録 1927~1996 全3冊』 (同上)

『目録』は三冊なのに、なぜか一〇五円なのがうれしい。参照用に購入。『今年竹』は後篇だけなのが玉に瑕。チェーホフは昨年出たもので、訳者である神西清のチェーホフ論が二編収められているのでお買得である。

二冊で四〇〇円セールなどはやっていなかったので、文芸文庫は拾えなかったのが心残り。でもまあ、一〇五円でこれだけ買えれば十分である。
[PR]

by anglophile | 2009-12-28 16:20 | 古本県外遠征 | Comments(0)
2009年 12月 28日
『みんなの古本500冊 もっと』
数日前に注文した『みんなの古本500冊 もっと』(恵文社、二〇〇九年)が届く。前回の『みんなの古本500冊』も二年前の同じクリスマスシーズンに刊行されたのだった。もちろん持っている。今回の書名が、「パート2」とか「第二集」とかではなく、「もっと」というところが面白い。実際、私自身も「もっと」みなさんの古本話を読みたかったのだから。

一頁一頁味わいながら読む。内容は、それぞれの寄稿者が一つのテーマに沿って自身が購入した四冊の古本を紹介するといったものだが、みなさんの本の選び方、テーマの設定の仕方が十人十色で、書名の「もっと」以上に面白い。普段からブログを拝見させて頂いている方々も寄稿していらっしゃる。

最も印象に残ったのが、扉野良人さんの「20年前」である。昔あった古本屋さんにまつわるエピソードである。思わずニヤリとしてしまった。

次の「もっと」が出るのは2年後ぐらいだろうか。期待しています。
[PR]

by anglophile | 2009-12-28 01:04 | 読書 | Comments(0)
2009年 12月 23日
石牟礼道子と野呂邦暢   
今日も外出がてら二軒ほど「ブックオフ以外」に寄る。

・小島信夫 『女流』 (集英社文庫)
・嵐山光三郎 『文士温泉放蕩録』 (ランダムハウス講談社文庫)
・山本夏彦 『世は〆切』 (文春文庫)
・林京子 『祭りの場/ギヤマンビードロ』 (講談社文芸文庫)
・大原富枝 『息にわがする』 (朝日文芸文庫)
・楳図かずお 『へび少女 ~楳図かずお恐怖劇場~』 (角川ホラー文庫)
・松下竜一 『そっと生きていたい』 (筑摩書房)
・石牟礼道子 『葛のしとね』 (朝日新聞社)

家に帰って『葛のしとね』を開くと、著者の献呈署名があった。さらに、裏見返しには熊本の住所と電話番号までが書かれてありびっくりした。

この本の中に、「野呂邦暢さんへ」と題する文章が収められている。初出一覧からすると、野呂が一九七四年に「草のつるぎ」で芥川賞を受けたあとに、読売新聞に二回に分けて掲載された文章のようだ。後半部分に「お便り拝読いたしました」という言葉があるので、もしかしたら野呂との往復書簡だったのかもしれない。「草のつるぎ」の主人公について次のように述べている。

私の個人的体験からしましても、血縁に当るであろうこの自衛隊員の群像、その前身も後の生涯も、けっしていわゆる大組織の労働組合の指導者とか、運動とか、いかなる意味でもけっして進歩的エリートとかに属する体質ではなく、もはや百姓でもなし漁師でもなし、中小企業のつとめ人でもせいぜい係長どまりで、そのくらいが一生の勲章だったりして、朝に生まれて夕に潰えさる変転定めなき職種の間を生きて渡り歩く、なにやらこの国を形づくっている膨大な実存、無意識層ともいえるこの国の主体者たちの原像、その幾人かが示す魂をかい間見たと思いました。
「そのくらいが一生の勲章だったりして」という箇所が心にしみ入る。今のこの時代にも当て嵌まる言葉ではないだろうか。
[PR]

by anglophile | 2009-12-23 22:04 | 古本 | Comments(0)
2009年 12月 23日
「トマス・ピンチョン コンプリート・コレクション」の続報
昨日は、今月のウェッジ文庫二冊(『独楽園』、『野口冨士男随筆集 作家の手』)を買いに、新刊書店に行ってきた。

お目当ての二冊を不釣り合いな大きさの買い物かごに入れて、しばらく店内をうろうろする。そして、外国文学の棚の前に来て、『世界文学全集』(池澤夏樹・個人編集)のカラフルな背表紙の群に目が行く。なんとなく『ヴァインランド』(トマス・ピンチョン)を手にとってみる。ショッキングピンクのカバーが素敵だ。奥付を見て、今月配本されたばかりであることを知る。次に、訳者の佐藤良明による解説と年譜を読み始める、近くのソファーに座って。ピンチョンの年譜が興味深かった。例えば、何年か前のアニメ『シンプソンズ』に、ピンチョンがキャラクターとして二回ほど登場していたらしい。ただし、頭には買い物袋をかぶっているので顔は見えない。で、その声をピンチョン自身が担当していたということだ。それは見てみたい!You Tubeで見れるのかしら。

で、解説の最後に、「トマス・ピンチョン コンプリート・コレクション」のことが書かれていた。もうすぐ刊行開始とのこと。柴田元幸は『メイソン&ディクソン』を、木原善彦は『逆光』(原題Against the Day)の訳をすでに脱稿しているという。佐藤もこれより『重力の虹』の新訳に取りかかるとか。ということで、予定よりも一年遅れて、ようやくこの全集が動き出す!
[PR]

by anglophile | 2009-12-23 12:05 | その他 | Comments(0)
2009年 12月 21日
雪道を往く
今日(昨日)は日曜日だったのに、普段通り起きて仕事に行く。外はみぞれで、気温は摂氏一度。車の左後輪がパンクしていた。急いで、タイヤ一本だけ換えて、職場に向かう。ズボンはびしょびしょ、手は真っ赤。モチベーションが上がらぬまま、午後五時仕事終了。その後は失われた時を求めてブックオフへ。直行です。

・カート・ヴォネガット・ジュニア 『モンキー・ハウスへようこそ』 (早川書房)
・庄野潤三 『引潮』 (新潮社)
・小林信彦 『時代観察者の冒険 1977-1987 全エッセイ』 (同上)
・小林信彦 『袋小路の休日』 (講談社文芸文庫)
・フィリップ 『フィリップ傑作短篇集』 (福武文庫)

『フィリップ傑作短篇集』に、一九九〇年一月の福武文庫新刊案内がはさまっていた。そうすると、たいしたことはないが所有している(た)ものをリストアップしてみたくなる。

・渋谷陽一選 『ロック読本』
・吉行淳之介選 『文章読本』
・江國滋選 『手紙読本』
・阿刀田高選 『恐怖の花』
・柄谷行人 『批評とポストモダン』
・島田雅彦 『優しいサヨクのための嬉遊曲』
・島田雅彦 『亡命旅行者は叫び呟く』
・島田雅彦 『夢遊王国のための音楽』
・澁澤龍彦 『犬狼都市』
・山本健吉 『十二の肖像画』
・巌谷大四 『本のひとこと』

当時は、島田雅彦をよく読んでいた。柄谷行人にもはまっていた時期があり、この『批評とポストモダン』は線を引きながら読んだものだ(笑)。それが良かったのかどうかはわからない。
[PR]

by anglophile | 2009-12-21 03:17 | 古本 | Comments(0)
2009年 12月 19日
柚子と蓑虫   
二週間前にボラーニョの『2666』を読み終えて、さて次に何を読もうかとあれこれ考えながら、時間だけが過ぎてしまった。本棚にたくさん本はあるのだけれど、読みたい本がすぐには決まらない。あの本、この本、とぱらぱらページをめくるが、その瞬間の「気分」にピタリとくるものが見つからない。「これで行こうか」と一応は決めてみても、数日後には読むのをやめてしまっていることもたびたび。私は本を読むのが速いほうではないので、一冊の本を一日に数ページずつ(ときには数行ずつ)何日もかけて読んでいくことになる。その何日間かをともに過ごす「相手」を慎重に時間をかけて選ぼうとしているのかもしれない。これって、何かと似ている気がする。

薄田泣菫『艸木虫魚』(岩波文庫)をそういうふうにして手にとり、読み始めた。これはずっと前にブックオフで買ったもの。『泣菫随筆』(冨山房百科文庫)も持っているが、なんとなく『艸木虫魚』を選ぶ。たぶん題名にある「艸」という漢字が判らなかったからだろう(笑)。これは「草」という意味であることを杉本秀太郎の解説で知る。

最初にある「柚子」の出だしの文章に驚く。これは引かずにはおれない。
柚の木の梢高く柚子の実のかかっているのを見るときほど、秋のわびしさをしみじみと見に感ずるものはない。豊熟した胸のふくらみを林檎に、軽い憂鬱を柿に、清明を梨に、素朴を栗に授けた秋は、最後に残されたわびしさと苦笑とを柚子に与えている。
日常的なはずの果物に「胸のふくらみ」や「軽い憂鬱」などの言葉をあてがう泣菫の感性にシビれる。このあとに続く「超絶哲学者の猫」「新聞記者の雀」「浮気ものの渡り鳥」といった比喩も卓抜である。

また、いくつかあとの「蓑虫」という文章にも印象的な箇所がある。これも引く。
[蓑]虫は春からこの方、ずっと青葉に食べ飽きて、今はもう秋冬の長い静かな眠りを待つのみの身の上だ。ところが、気紛れな秋は、この小さな虫に順調な安眠を与えようとはしないで、時ももう十月半ばだというのに、どうかすると夏のような日光の直射と、晴れきった空の藍色とで、虫の好奇心を誘惑しようとする。木の葉を食うにはもう遅すぎ、ぐっすり寝込むにはまだ早過ぎる中途半端な今の「出来心」を思うと、虫は退屈しのぎの所在なさから、小坊主のような円い頭をひょくりひょくりと振ってでもいるより外に仕方がなかったのだ。
私もこの蓑虫の「所在なさ」というのを十分に理解できる。生きていると、仕事していると、そういうときってあるものだ。これからそういう気持になったときは、この泣菫の文章の蓑虫のことを思い出すことにしよう。

泣菫といえば、今月はウェッジ文庫から『独楽園』が刊行される。楽しみである。
[PR]

by anglophile | 2009-12-19 04:33 | 読書 | Comments(0)
2009年 12月 15日
ウィリアム・モリス
c0213681_2544174.jpg
William Morris, Ornamentations & Illustrations from The Kelmscott Chaucer (Dover Publications) を購入。先日の林哲夫さんのブログで言及されていたケルムスコット版の「チョーサー著作集」にアンテナが反応した。現物はそんなに簡単に見れない、でもその中身をちょっとだけ見てみたい、ということで、いろいろ検索してみたら、これがあったというわけ。まあ、いわゆる廉価版なので、さほど期待もしていなかったわけだが、いざ品物が届いてみると、私のような素人にとっては十分すぎるくらいの中身である。嬉々としてページをめくっていく。

まず大判(30.6×21cm)であるのがいい。出版社の説明によると、これは実物を72%縮小したサイズであり、オリジナル版から100頁分が抜粋されているということ。とはいえ、バーン・ジョーンズの87枚の挿絵はすべて収められている。あと、Fridolf Johnson という人の「まえがき(Introduction)」も読み応えがある。これによると、とにかくウィリアム・モリスという人は溢れんばかりのアイディアを持っていたらしい。たしかに、そのデザインの種々多様なのには驚くばかりである。どのページを眺めてみても、その濃密さに圧倒される。また、巻末には、モリスがデザインした装飾体の大文字アルファベットが大中小の順で載っている。

これに関して非常に興味深いことが「まえがき」に書かれている。それによると、モリスが考案したアルファベットの装飾体は全部で384あり、なかでも「T」が一番数が多く、少なくとも34のバリエーションがあるということだ。この巻末にも「T」の装飾体が大中小あわせて30ほど収められている。ほかの文字と比べて多いというところが面白い。
c0213681_312414.jpg
(これは中型の「S」「T」「U」一覧)
[PR]

by anglophile | 2009-12-15 03:03 | 読書 | Comments(0)
2009年 12月 13日
『イングロリアス・バスターズ』
『ユリイカ』の今月号はクエンティン・タランティーノを特集している。私の知るかぎり、『ユリイカ』がこの異才について特集を組むのはこれが初めてのはずである。遅きに失した感がある一方で、もしかしたら今がその時機なのかもしれないとも思った。最新作『イングロリアス・バスターズ』についてはまったく知らなかったのだが、「この映画はきっと面白いにちがいない」という自分の直感にしたがって、本日映画館でその最新作を観てきた。『ユリイカ』を買うのと同じくらい、映画館で映画を観るのも久しぶりだった。二時間半を超える上映時間だったが、まったく退屈しなかった。ブラッド・ピットも良かったが、ナチス高官を演じるクリストフ・ヴァルツがすばらしかった!カンヌで最優秀男優賞を受賞したのもうなずける演技だった。

さて、映画自体をあまり観なくなったこともあるが、タランティーノのここ十年ぐらいの作品にはほとんど注目していなかった。『キル・ビル』すら見ていない。私にとってのタランティーノ映画といえば、『レザボア・ドッグス』(一九九二年)、『トゥルー・ロマンス』(脚本のみ:一九九三年)、そして『パルプ・フィクション』(一九九四年)の三作で止まっている。しかし、この三作から受けた衝撃は今でもおぼえている。当時イギリスにいたのだが、『レザボア・ドッグス』はその有名な暴力シーンのため、ビデオでの発売が禁じられていて、映画館でしか見ることができなかった。だから、ロンドンなどでは『レザボア・ドッグス』のみを上映している映画館があった。今もそうなのだろうか。(ちなみに、『エクソシスト』も同じような理由で、『エクソシスト』専用の映画館があった。)『パルプ・フィクション』は三回見た。当然、字幕などないから、セリフが分からないところがたくさんあり、Faber and Faber から出ていた脚本集を買って繰り返し読んだこともあった。自分のなかでは、『イングロリアス・バスターズ』はこれらと同じくらい楽しく観ることができた。
c0213681_2235244.jpg

[PR]

by anglophile | 2009-12-13 02:25 | 映画 | Comments(0)
2009年 12月 10日
久しぶりのY書房
今日は金沢の中心から少しはなれた場所にあるY書房に行って来た。平日なのに(笑)。この行動はもう気晴らし以外の何ものでもない(笑)!さて、ここに足を運ぶのは2年ぶりくらいである。いつでも開いているお店ではないので、普段はなかなか行くことができない。ご高齢のご主人がひっそりと店を営んでいらっしゃる。お元気そうで何よりだった。

このご主人で思い出すことがひとつある。「下鴨納涼古本まつり」に初参加するために、私は二年前の夏に京都を訪れていた。そのときに三条のブックオフで、このご主人にすごくよく似た方を見かけたのである。声をかけたわけでもないので、あくまで「よく似た人」なのだが、自分の中ではあれは間違いなくこのご主人だったと今でも思っている。同県の赤の他人同士が他県で出会う可能性はきわめて低いだろうが、「古本」という共通の磁石によって偶然にもそこに引きつけられたのではと考える方が私にはずっとおもしろいのである。このご主人も、きっと私と同じように「下鴨」目当てに京都にいらっしゃったのだと。

ところで、なぜこのご主人の顔をそこまで明確に認識できたかというと、それより数ヶ月前に私はY書房を訪れ、『詳注シェイクスピア双書 全一八巻』(研究社)を購入していたからである。そしてこのとき、このご主人が一割値引いてくれたことが私の印象を強めていたのである。

今日Y書房を訪れたのは、実はそれ以来だった。その二年前に訪れたときよりは、店内がずいぶんと整理されていた。あんまり大きな買い物はしなかったが、次の三冊を買わせていただいた。

・巌谷大四 『本のひとこと』 (福武文庫) 四〇〇円
・松本清張 『古代史疑』 (中公文庫) 一〇〇円
・室生犀星 『随筆 女ひと』 (新潮文庫) 一〇〇円

久しぶりに、昔ながらの古本屋さんの空気を味わうことができてよかった。
[PR]

by anglophile | 2009-12-10 16:33 | 古本 | Comments(0)