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古本万歩計 Of what is lost, all I wish to recover is the daily availability of my writing, lines capable of grasping me by the hair and lifting me up when I'm at the end of my strength. - Roberto Bolano

今年の収穫

年末ということで、既に供給過多の状態にある部屋の本棚整理などを気まぐれにしてみるが、ゲームオーバーがないかわりにゲームクリアもない「倉庫番」をやっているようでまったく達成感が感じられない。ただぐるぐるぐるぐる本の塊を右から左へ動かしているだけ。

古本整理しながら、今年手に入れた本を思い返してみた。基本的にブックオフばっかだが、古本屋でも何冊かいい本が買えた。まず、佐藤有文『世界妖怪図鑑』と木谷恭介『地獄大図鑑』の2冊。去年ぐらいからジャガーバックスが何冊か復刊されていて、上記2冊もそれに含まれているが、オリジナルに優るものはなし。いずれも500円だった。長門芳郎『パイドパイパー・デイズ 私的音楽回想録1972-1989』をちょうど読んでいた時期に見つけた北中正和『風都市伝説』(音楽出版社)400円とか、署名入りの古井由吉『仮往生伝試文』(河出書房新社)が200円だったのもいい買いものだった。

ブックオフでの収穫。もはやかつてのブックオフとは似ても似つかない営業形態になってしまったわけだけども、足を運ぶ頻度をキープすればそれなりに得るものはある。なんといっても図録『ヴィルヘルム・ハンマースホイ 静かなる詩情』(日本経済新聞社)が手に入ったのが今年のハイライト。500円。ヤフオクでもけっこう出ているが、軒並み4、5000円はしていて手が出なかった。他には、200円だった加藤周一編『近代の詩人 別巻 訳詩集』(潮出版社)は、詩よりも加藤周一自身の解説(訳詩雑談)が印象に残っている本。

文庫方面でもうれしい収穫があった。菅野昭正編『石川淳短篇小説選』(ちくま文庫)、カルヴィン・トムキンズ『優雅な生活が最高の復讐である』(新潮文庫)、皆川博子『水底の祭り』(文春文庫)の3冊。いずれもしばらく前から探していたもの。108円だったのもうれしい。あとは、ハヤカワ文庫のディクスン・カー/カーター・ディクスンを20冊くらいとハルキ文庫の小松左京を15冊くらいまとめて買ったりした。どちらも背が緑なんだな。それらはどこに置いてしまったのか、今目につく本棚のどこにも見つからない。

by anglophile | 2016-12-31 17:15 | 古本 | Comments(0)