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古本万歩計 Of what is lost, all I wish to recover is the daily availability of my writing, lines capable of grasping me by the hair and lifting me up when I'm at the end of my strength. - Roberto Bolano

第2回 BOOK DAY とやま (振り返り)

7時半過ぎに家を出、5分ほど車を走らせてから、釣り銭セットを忘れたことに気づいてあと戻り。富山に行ってから気づかなくてよかったよ。仕切りなおして、快晴のもと、北陸道を突き進み、9時頃だったかに現地到着。昨年利用したパーキングがなくなっていて焦ったが、そのすぐ近くに別のがあったのでセーフ。この日のために購入した台車で本が入ったプラスチックケースをガラガラ運ぶ。コンビニで昼食用の何かを買うのを忘れたが、総曲輪通りにある開催場所のグランドプラザにはスターバックスなどが並んでいてなんとかなりそうだった。目抜き通りのど真ん中にあるので、絶え間なく人が行き交うベストロケーションである。
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9時過ぎ時点ですでに出店者の方々は何名かいらっしゃり準備をされていた。古本よあけさんにご挨拶。先日の福野アミューにもいらっしゃっていたらしい。中井英夫の本に反応していただきうれしかったです。金沢からはおろおろさんやでっぱさんもご出店。私も受付を済ませて、出店準備をする。出店場所はすでに実行委員会の方で決めてあった。今回は30箱を超える出店数になったみたい。スタッフのお一人、上関さんも開始前から忙しそうに会場をまわっておられた。
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さて、少し早めに来たのにはわけがある。一箱古本市は10時開始だが、それに先んじて9時から市民プラザ前(去年の一箱古本市の会場)で北陸の古書店が集まる古本まつりがあるのだ。一箱の方がはじまったら店番をしなければいけないので、こちらを見に行くには開始前しかないと考えた。ちゃちゃちゃと準備を済ませてから、市民プラザに向かう。すでにはじまっているようで、客が群がっている。オーソドックスな風情の古本愛好家らしい年配の方々もいらっしゃる。あうん堂さん、オヨヨさん、NYANCAFEさんにご挨拶。あうん堂さんと軽めのスパーリングを済ませてから、一通り見て回る。富山の古書店も数店舗出ており、はじめて耳にするお店もあった。まず100円均一コーナーで石牟礼道子『流民の都』(大和書房)を買う。続いて、文圃閣コーナーでは吾妻ひでお『喜劇新思想大系』(秋田漫画文庫)の別巻を除く5冊を見つけた。合計800円。最後に、金沢の一箱常連のADLIFTさんがこちらのブースに出店されているのを発見。「なんでこっちにいるんですか!?」「いやあ、なんかこっちに出てくれと言われてね」ということでした。『マイルス・デイビス自叙伝Ⅰ・Ⅱ』(宝島社文庫)と『忘れられない一冊』(朝日文庫)を3冊500円で購入。ありがとうございました。
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体が温まってきたのでグランドプラザに引き返す。そろそろスタートの時間。少しずつお客さんの数が増えている。特に開会宣言とかはなく、なんとなく一箱古本市がスタート。私の箱模様はこんな感じ。半分くらいは先週の金沢の一箱から引きつづき持ってきたもの。職場にあるブックエンドを忘れずに持っていったのがよかった。このテーブルの下には3冊500円箱を置いた。
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買う買わないは別として、お客さんの波がほとんど途切れないので忙しいといえば忙しかった。3冊500円コーナーは好調でけっこうポンポン売れていく。上のテーブルコーナーも少しずつではあるが手にとって見てくれる人が増えていった。『昔日の客』と『おかしな本棚』が売れたのはうれしかった。やはりいい本を求めている人がいるのだと実感。一方、お気に入りの漫画はなかなか好みが合わないのかほとんど手に取られることがなかった。『ホテルカルフォリニア』とか『ナチュン』とかけっこうオススメなのでした。唯一『漂流教室』は注目されるも、結局売れずじまい。
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地元の石川からも、紫庵さん、なつめ舎さん、Mさんが足を運んで下さり、本を買っていただいたのがありがたかった。今回は古本だけではなく、北陸の出版社を中心とした即売ブースも設置されていて、龜鳴屋さんのコーナーもあった。貴重な限定本も陳列されており、そのなかには今では入手困難な『藤澤清造貧困小説集』もあった。眼福。特装版は木箱に入っているのだなあ。
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お客さんが途切れる時間帯を利用して、他の箱も見に行く。終わりの方になって、toro books さんの箱で『コーネリアスの惑星見学』シリーズセットを500円で買った。ソノシートが付いた特別篇も含まれていてお得感あり。あと、前から気になっていたピストン藤井氏の『別冊 郷土愛バカ一代!』の第2号も入手。この藤井氏、男性だと思っていたら女性だったのでびっくり。第2号にはオヨヨさんのインタビュー記事が載っていておもしろかった。第1号を買わなかったのが悔やまれる一冊です。

後半の売上は失速気味だったものの、全体的には上出来だった。日が落ちはじめた午後4時すぎに終了となった。上のテーブルコーナーで売れたのは以下の30冊ほどの本。この他に下の3冊500円箱からは50冊ほどが売れた。

・内田百閒 『百閒随筆Ⅰ・Ⅱ』 (講談社文芸文庫)
・薄田泣菫 『艸木虫魚』 (岩波文庫)
・関口良雄 『昔日の客』 (夏葉社)
・つげ義春 『愛蔵版 夏の思いで つげ義春作品集』 (中央公論社)
・つげ義春 『ねじ式・紅い花』 (小学館叢書)
・ボルヘス 『砂の本』 (集英社文庫)
・山尾悠子 『ラピスラズリ』 (ちくま文庫)
・金子光晴 『這えば立て』 (中公文庫)
・大村彦次郎 『文士のいる風景』 (ちくま文庫)
・塩山芳明 『出版業界最底辺日記』 (ちくま文庫)
・澁澤龍彦 『フローラ逍遙』 (平凡社ライブラリー)
・坂口安吾 『日本文化私観』 (講談社文芸文庫)
・『日本探偵小説全集6 小栗虫太郎集』 (創元推理文庫)
・『日本探偵小説全集3 大下宇陀児・角田喜久雄集』 (創元推理文庫)
・紀田順一郎/東雅夫 『日本怪奇小説傑作集1・2』 (創元推理文庫)
・アポリネール他 『怪奇小説傑作集4 フランス編』 (創元推理文庫)
・『日本探偵小説全集1 江戸川乱歩集』 (創元推理文庫)
・レイモンド・カーヴァー 『大聖堂』 (中央公論新社)
・東雅夫編 『幻想小説神髄』 (ちくま文庫)
・阿部和重 『ピストルズ』 (講談社)
・『サウンド派映画の聴き方』 (フィルムアート社)
・中上健次 『蛇淫』 (講談社文芸文庫)
・都築響一 『賃貸宇宙 上』 (ちくま文庫)
・吉田健一 『英語と英国と英国人』 (講談社文芸文庫)
・江國香織 『犬とハモニカ』 (新潮社)
・クラフト・エヴィング商會 『おかしな本棚』 (朝日新聞出版)
・吉田篤弘 『針がとぶ』 (新潮社)
・斎藤明美 『高峰秀子の流儀』 (新潮社)
・中野重治 『中野重治評論集』 (平凡社ライブラリー)
・内澤旬子 『世界屠畜紀行』 (角川文庫)

昨年の第1回もすばらしかったが、今回は様々なイベントがあり前回を上回る規模だったはず。ほんとにすごいことだ。第3回があればまたぜひ参加したいと思う。次回が開かれる頃には北陸新幹線がもう開通しているかもしれない。
by anglophile | 2014-04-29 23:44 | 一箱古本市 | Comments(0)