2013年 08月 28日
福野アミューの古本市
暮れなずむ晩夏の空を見ていた勤務時間終了直前、富山の福野アミューで恒例の古本市が今日からはじまっているという情報を入手しパチンと目が覚めた。この古本市には4、5年前に一度行ったことがあった。そのときはどこにでもありそうな文庫本を1冊買うに終わってしまい、なんだかなあとブツブツ言いながら帰ってきたのだったが、今思い返すと、「なんだかなあ」なのはこちらの古本探知能力(推定レベル2)だったことに気づく。そのときの徒労感が尾を引いて、それ以来、定期的に古本市が催されているのは知っていたが、足を運ぶのをためらっていたのだ。なのに、今日は無性に行きたくなってしまったのだから古本心はよくわからない。古本スイッチがいったんカチッと入ってしまったら、古本を買うまではスイッチがオフにならないので、これはもう行くしかありません。高岡や富山だったら遠くてさすがに車を走らせる気力はないが、福野だったら高速の小矢部ICを下りてちょっと行ったところだから、妻に怪しまれない時間に行って帰ってこれる距離だ。己の身の不自由さをかこちながらも、今ある状況下でできるかぎりのことをすればいいじゃないかと自分を励ましていざ出陣。はたして今回はいかに。

c0213681_232995.jpg福野アミューは中型のショッピングセンターみたいなところ。正面入り口を入っていくと、すぐ目の前の催事スペースで古本市が展開されていた。オヨヨさんの「古本300円均一」が目をひく。今回の出店はオヨヨ書林、加能屋書店、アテネ堂古書店、上関文庫、宝の本、一誠堂能瀬書店だったかな。北陸3県にまたがっている。わくわくしながらオヨヨさんの均一から見ていく。ある特定の作家の本がいろいろとかたまって出されていた。奥の方には、オヨヨさんの「特選コーナー」みたいなのがあって、500円~2000円ぐらいの本が出ていた。そこからマルグリット・ユルスナール『ピラネージの黒い脳髄』(白水社)1000円を買うことにする。ユルスナールもいろいろ読んでみたいと思っているけど、なかなか見つからない。この本は小説ではなく評論集。ピラネージの図版がたくさん入っていて見入ってしまう。時がたつのを忘れそうになるが、そうなると帰宅時間がまずいことになるので時間は気にしています。次に加能屋さんとアテネ堂のワゴンを見ていく。脇目もふらずに本の背を見ていたら、とつぜん声をかけられた。なんと古本よあけさんだった。魚津から仕事を終えて来られたとのこと。びっくりしました。よあけさんもびっくりされていた。ほんとはもっとゆっくり話したかったのだけど、時間制限があるので、少しお話ししてから、よあけさんも私も探索を再開。アテネ堂の棚からは前からほしかった矢内原伊作編『辻まことの世界』『続・辻まことの世界』(みすず書房)各500円を買うことにする。カバーのヤケが強かったけど、この値段ならためらわない。次に一誠堂ワゴンで、見たことのない内田良平『みんな笑ってる』(河出文庫)200円を手に取ってみた。カバーのイラストがいい。この人は俳優らしいが、自分は知らなかった。

c0213681_23255100.jpgこの時点で、残る古本スペースは3分の1。最後にレジの横から裏側にあるワゴンを見ていき、このときになってはじめて上関さんが出店されていることを知った。文芸関係のほかに、釣り関係の本や絵本・漫画もあっただろうか。文芸書を中心に見ていくと、まず飯吉光夫編訳『ヴァルザーの詩と小品』(みすず書房)1200円を見つける。毎度おなじみ「大人の本棚」シリーズ。ほしかった本が半額ならば買わないわけにはいかない。ヴァルザーはここ数年作品集がいろいろと出ていて、ちょっと気になっている作家。これで十分と思ったが、あっちの棚に行って、もう1回上関さんのワゴンに戻って見落としはないかとチェックしたら、題名の書かれていないボール紙の函に入っている本があって、なんだろうと思って抜いてみたら杉山平一『声を限りに』(思潮社)800円だった。これも買うことにする。あと、ほんとは写真右側に映っている吉増剛造の2冊のエッセイ集もほしかったが、買いすぎを気にして控えることにした。

ずいぶんと買ってしまったが、納得いく本がこんなに買えるとは思っていなかったので大満足。来た甲斐がありました。よあけさんに挨拶をして、店を出たのが7時ちょっと前。制限時間ギリギリの古本行脚となった。この古本市は9月3日までの開催だそうです。
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by anglophile | 2013-08-28 22:59 | 古本県外遠征 | Comments(0)


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