2013年 08月 09日
東京の古本まつり①
何しに行くって、仕事にきまってんじゃない。家を出るとき、「ほんとは何しに行くのか知ってるんだぞ~」という妻の声にかぶせるようにして玄関のドアを閉めたとき、自分の顔はたしかににやけていたかもしれない。久しぶりに東京出張が舞い込んできて、一昨日、昨日と東京に行って来た。妻は信じてくれなかったが、これは自分から望んだ出張だったわけではない。行けといわれたから、仕方なしに行くのである。でも、前夜、リュックサックの中に別のバッグを折りたたんで入れるのを妻には見られていた。「な、何入れるって、お、お土産にきまってんじゃない」と、彼女が何もいっていないのに、フライング気味に弁解してしまう自分。しかし、「日本の古本屋」のHPで即売展情報をチェックしていたことまでは彼女は知らないだろう。

c0213681_115296.jpg前泊が許されたので、一昨日の午前に小松から飛行機で羽田へ。昼前に到着し、昼食をとった後、JR乗り放題の都区内パス(730円)を購入し池袋に向かう。リブロ池袋本店でやっている「夏の古本まつり」の最終日。こういう大きな古本市は久しぶりだ。まあよくもこれだけいろんな本があるもんだなあ。最初の30分くらいはどこを見ていいかわからず、あっち行ったりこっち行ったり。買えるはずもないのに、全部見ようとするから時間もかかる。そんな下手くそな立ち回りをしながらも、少しずつ落ちついてきたので、ようやく本に手が伸び始める。聞いたことがあるような古本屋の名前もちらほらあった。まずは、ミステリ系などが非常に充実していた「ハーフノートブックス」からミステリとは関係のない八木義徳『家族のいる風景』(福武文庫)300円を買うことにする。均一コーナーみたいなのはないので、どの本もそこそこの値段が付いている。でも、よく見てみると200円くらいの本もけっこうまじっていることがわかった。そのあとも、いったん買おうと思っていた本を棚に戻したり、やっぱりあの本は買っておこうともう一度その棚に戻ったりと、古本うずまきの中で揉まれに揉まれる。一通り見終わって、買うべき本を頭のなかで思い描く。アウェーの身の故、あれもこれも買うわけにはいかない。結局、「ポラン書房」から加藤一雄『雪月花の近代』(京都新聞社)945円とフリオ・コルタサル『かくも激しく甘きニカラグア』(晶文社)735円を、「ほん吉」の棚から杉山平一『巡航船』(編集工房ノア)1575円を買うことにした。「ポラン書房」の棚はけっこう買いやすい値段で印象に残った。大泉学園にあるお店みたい。時間があれば行ってみたいな。

c0213681_13521539.jpgそんなこんなで気づけば時間はもう16時。3時間ほどいたのか。楽しかった。このあと、せっかく池袋に来たので、「往来座」にも足をのばすことにする。ここもいい雰囲気の古本屋だ。均一を見てから、店内でロレンス・ダレル『アヴィニョン五重奏Ⅰ ムッシュー』(河出書房新社)1100円と『アイデア No.314 特集・エミグレの歴史1984-2005』(2006年1月号、誠文堂新光社)2100円を購入。『アイデア』のお目当ては、ペンギンブックスから出ていた「グレート・アイデアズ(Great Ideas)」シリーズの小特集が組まれていたこと。ここ10年くらいにペンギンから次々と出たこれらの薄いペーパーバックのシリーズはどれも魅力的。全部買っていたらきりがないのだけど、私も何冊かそのデザインに惹かれて購入している。外に出ると、もう日が落ち始めている。さすがにもうホテルに行かないといけないので、ホテルのある神保町に向かうことにする。新宿経由でお茶の水まで行き、そこからホテルにたどり着いたのは19時すぎ。せっかく神保町にいるのに、もうほとんどの古本屋は閉まっていて残念無念。ホテルで一息ついてから、前から行ってみたいと思っていたカレーの「ボンディ」へ。なるほど、なかなかわかりづらい場所にありますね。でも、お客さんはいっぱいだった。濃厚なビーフカレーをいただく。さて、そのあとホテルに帰ってもすることがないので、もうひとふんばりしたくなった。神保町の古本屋は閉まっているが、ブックオフなら23時頃まで開いているはず。神保町にはブックオフはないけども、スマホで調べてみると飯田橋とか秋葉原にはあるようだ。どちらも駅前にあるようなので、わりかし行きやすそう。結局、飯田橋店に行くことにする。細長いビルだった。お客さんもたくさん来ていた。掘り出し物もさほど期待できなかったが、かろうじて、スティーヴン・キング『小説作法』(アーティストハウス)105円が買えたのでよかった。この本は、先月、小学館文庫から『書くことについて』と改題されて新訳で出たみたい。ホテルに帰ると11時近かった。もうぐったり。買った本を愛でる気力もなく、あとは泥のように眠るだけだった。
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by anglophile | 2013-08-09 14:49 | 古本県外遠征 | Comments(0)


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