2013年 01月 14日
3連休の記録
『みみずく古本市』をぱらぱら読む。「戦後、哲学科に入って分かったのは、日本の西欧学の御節料理のような主著主義だった。つまり、その時代に西欧の大古典とされた思想家の主著だけを読むのをカリキュラムにされる日常である。これは実に下らなかった。主著ぐらいは原典に即して明るくあるべきだし、時には暗記すべし。だが、それに終わってはダメ。雑書こそ発想源として親しめ。これが分かると、自分の生き方の方針が固まった。英文科に進んでも、その方針を自分で貫いた。書誌にもない雑書奇書のなかに玉と石とを分けてゆく眼を自分のリスクで養うこと。これが僕にとって最大の試練だし、これがまた実に心愉しい。」(363~364頁)という言葉にシビれた。さすがでございます。
午後、ブックオフへ。3連休はお決まりのセールをやっている。あんまり期待していなかったけど、澁澤龍彦『澁澤龍彦 西欧文芸批評集成』、『澁澤龍彦 映画論集成』(河出文庫)、高城高『函館水上警察』(創元推理文庫)、ヴァージニア・ウルフ『オーランドー』(ちくま文庫)を2冊500円×2で購入することができた。
<1月13日>
Vintage から出ているラルフ・エリスンのカバーデザインが気になっている。すっきりしたデザインが好感触。衝動買いの誘惑に駆られる。
<1月14日>
小雨は明日には雪に変わるかもしれない。午後から、石川県立美術館に「村田省蔵展」を見に行く。県立美術館に行くのは何年ぶりだろうか。もしかしたら今世紀初かも。村田省蔵という画家を知らなかったが、職場に貼ってあった展覧会のポスターを見て興味を持った。そのポスターには新潟県に見られるという稲架木(はさぎ)という木を描いた絵が使われていた。画家は近年この木をモチーフにした絵をたくさん描いている。真っ赤な夕陽に染まった稲架木を描いた「凛として」という一枚が印象に残った。
帰りに、買おうと思っていたウラジーミル・ナボコフ『ナボコフの文学講義(上)(下)』(河出文庫)、モーリス・ブランショ『来るべき書物』(ちくま学芸文庫)、フェルナンド・ペソア『新編 不穏の書、断章』(平凡社ライブラリー)をまとめ買い。4冊合わせると結構な金額になったので、妙な達成感があった。ついでに、古本でアラン・シリトー『見えない炎』(集英社)¥150も1冊買った。シリトーのこの本はちょっと珍しいみたい。