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古本万歩計 Of what is lost, all I wish to recover is the daily availability of my writing, lines capable of grasping me by the hair and lifting me up when I'm at the end of my strength. - Roberto Bolano

加能作次郎集

オヨヨさんのHPを見たらば、小立野(こだつの)の「うつのみや書店」に古書搬入の情報あり。小立野にうつのみや書店? そういえばあったかもしれない。古本心刺激され、いざ小立野へ。職場からそれほど遠くないはずだが、小立野方面にあまり足を運ぶ機会がないので、調べたパソコン地図と私の中の地図とに齟齬が生じている。あっち行ったりこっち行ったりして、どうにか到着した。入り口を入ってすぐのところにワゴン数台分の古本コーナー発見。ほとんどが300円均一。アンテナに引っかかる本があるか、一冊ずつ丁寧に本の背を見ていく。小島政二郎の「食いしん坊」シリーズがたくさん出ていた。「続」とかもあるんだな、知らなかった。あと、分厚い英語関係の辞典も気になったといえば気になった。いろいろと迷って、結局今回は見送ることにした。

さて、初めて来る店舗なので、いちおう店内を一周する。品揃えはごくごく平均的なもの。柿の木畠の本店にはさすがにかなわない。せっかくなので何か1冊買おうと思い、店の棚の隅々まで見ていくが、なかなか選べない。ちくま(学芸)文庫が新刊のものだけ10冊くらいおいてあったが、今ほしいものはなし。雑誌コーナーでは『アイデア』の最新号が並んでいて、特集が「ビデオ・ゲーム・グラフィック」。小学4年生のときに、パックマンさえあればなんとか生きてける、と思っていた私としては、むむむ、これはほしいかもしれない。かなり心が動いたが、値段が値段なのでちょっと保留。他の1冊をもとめて、だんだん奥の方に追いつめられていくと、最後にたどり着いたのが「郷土関係本コーナー」。よく見る光景。と、そこに見慣れぬ1冊が置かれていた。

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『加能作次郎集』(富来町立図書館、2004年)がなんと新刊で置かれていた。これには驚いた。もう品切れになっているはずではなかったのか。こんなところで出会えるとは思わなかった。長い間置かれていたのか、背に軽いヤケがあり、元パラもだいぶ痛んでいたが、函や本体の状態は決してわるくない。レジに持って行ったら、本にバーコードみたいなのがついていないので、「この本は古本コーナーにありましたか?」などと訊かれておもしろかった。お店の人たちもこの本の存在をすでに忘れているようだった。いずれにしろ、定価で買えるとは思っていなかったので、うれしい買い物となった。地元ならでは、かもしれない。

帰ってきてから妻に報告がてら本を見せたら、「かのさく・じろうって誰?」などと言う。「この本は古本コーナーにありましたか?」以上のケッサクである。「おださく」じゃないんだから、それはやめなさい。今日はめずらしく私の優勢勝ち。
by anglophile | 2012-04-28 14:02 | 古本 | Comments(0)