2012年 04月 28日
加能作次郎集
さて、初めて来る店舗なので、いちおう店内を一周する。品揃えはごくごく平均的なもの。柿の木畠の本店にはさすがにかなわない。せっかくなので何か1冊買おうと思い、店の棚の隅々まで見ていくが、なかなか選べない。ちくま(学芸)文庫が新刊のものだけ10冊くらいおいてあったが、今ほしいものはなし。雑誌コーナーでは『アイデア』の最新号が並んでいて、特集が「ビデオ・ゲーム・グラフィック」。小学4年生のときに、パックマンさえあればなんとか生きてける、と思っていた私としては、むむむ、これはほしいかもしれない。かなり心が動いたが、値段が値段なのでちょっと保留。他の1冊をもとめて、だんだん奥の方に追いつめられていくと、最後にたどり着いたのが「郷土関係本コーナー」。よく見る光景。と、そこに見慣れぬ1冊が置かれていた。
『加能作次郎集』(富来町立図書館、2004年)がなんと新刊で置かれていた。これには驚いた。もう品切れになっているはずではなかったのか。こんなところで出会えるとは思わなかった。長い間置かれていたのか、背に軽いヤケがあり、元パラもだいぶ痛んでいたが、函や本体の状態は決してわるくない。レジに持って行ったら、本にバーコードみたいなのがついていないので、「この本は古本コーナーにありましたか?」などと訊かれておもしろかった。お店の人たちもこの本の存在をすでに忘れているようだった。いずれにしろ、定価で買えるとは思っていなかったので、うれしい買い物となった。地元ならでは、かもしれない。
帰ってきてから妻に報告がてら本を見せたら、「かのさく・じろうって誰?」などと言う。「この本は古本コーナーにありましたか?」以上のケッサクである。「おださく」じゃないんだから、それはやめなさい。今日はめずらしく私の優勢勝ち。