2011年 10月 11日
大阪の古本まつり前夜
10月8日(土)早朝、金沢を出発し、一路、車で大阪へ。出張業務はこの日だけだが、せっかくなので2泊3日の家族同伴自費プランにアップグレイドしておいた。昼過ぎに到着。仕事は午後3時からで、少し時間がありそうだったので、名神の吹田で降りて、万博公園に寄った。
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かといって、それほどゆっくりもできないので、公園内には入場せず、遠くから太陽の塔を拝むだけとした。30分もいたかどうか。滞在時間が短かったので、駐車料金は発生しなかった。

そこからそのまま大阪市内に向かった。仕事の場所はたぶん難波。道に迷いながら到着。午後3時からの仕事はお決まりの会への出席というもので、退屈きわまりなく、資料をスキミングしたのち、あとはツヴァイクの「チェスの話」を読んですごした。チェスの世界王者チェントヴィッツの話に見せかけて、実質それはB博士の話だった。第二次世界大戦中、強制収容所に入れられたB博士と一冊の本との出会いは、本好きにはたまらないエピソードである。
 多分あなたは、私が早速本を取出し、眺め、読み出したものとお思いになるでしょう。とんでもない! まず私は、自分の手もとに本があるという、本物の楽しみの前の楽しみを味わいつくそうとしたのです。この盗んだ本がどんな種類の本であれば一番嬉しいかといろいろ思いめぐらす楽しみ、ことさらに引延ばされた、私の神経を驚くほど刺戟する楽しみを。何よりもできるだけ長く読めるように、非常にこまかく印刷された、薄い紙になるべく多くの文字がならんでいるものであってほしい。それから私は、それが私の精神を緊張させる作品であってほしいと願いました。浅薄なもの、軽いものではなく、学べるようなもの、暗記することができるようなものであってほしい。詩、それも—まったく虫のいい夢ですが!—ゲーテかホーマーであってくれれば一番いい。しかしとうとう私は自分の渇望を、好奇心をこれ以上抑えきれなくなりました。看守が不意に扉を開けたとしても見つけられないようにベッドの上に横になって、私はわなわな顫えながらバンドの下から本を取出しました。(『チェスの話 ツヴァイク短篇選』、198-9頁)
会終了直前に、もう得るものはないと判断し、一人会場をあとにする。ふんっ。

午後6時過ぎにホテルにチェックイン。阪急梅田駅の近くのホテルだった。夕食を食べに、かっぱ横丁へ。というか、ほんとは阪急古書のまちをのぞきたかったのだ。10年も前に2回ほど来たことがあった。10店舗ほどの古書店が構内に並んでいる。雰囲気は変わってないようにおもえた。梁山泊の100円均一から松下竜一『潮風の町』(講談社文庫)を買うことができた。(つづく)
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by anglophile | 2011-10-11 21:25 | 古本県外遠征 | Comments(0)


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