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古本万歩計 Of what is lost, all I wish to recover is the daily availability of my writing, lines capable of grasping me by the hair and lifting me up when I'm at the end of my strength. - Roberto Bolano

京都で買った本

関西(古本)旅行最終日。午前11時にホテルをチェックアウトし、一路京都へ。高速道路のことはよく分からないのだが、名神ではなく第二京阪というのを使うとあっというまに京都に着いた。渋滞はなかった。そのまま下鴨神社をめざす。

正午過ぎに下鴨神社到着。北側の有料駐車場に車をとめる。時間を持て余しそうな妻と息子のことが気になるが、ガイドブックに載っていた団子屋に行きたいというのですばやく指示を出してやる。私はそのまま神社内部へ。見て回る時間は2時間は必要か。2人が団子屋に2時間もいるはずはないので、とにかく急ぐことに。
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古本の量、古書店の数に圧倒されて視線が定まらない。はじめは1店1店見て回っていたが埒があかないので、均一を中心に見ていくことにした。すると調子が出てきた。
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こちらの「100円均一コーナー」はすでに枯れ気味だったので、先を急ぐ。
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赤尾照文堂では「単行本3冊500円」をやっていた。最初は1冊500円だったのだろうか。単行本、全集端本など、けっこういい品揃えだったので、3冊3セット分を購入。ツーベース。ここで団子屋から早くも引き上げてきた妻と息子に追いつかれてしまった。「ほら、お父さん、またあんなに本を抱えているよ」と妻が私の様子を息子に伝えているが、聞こえないふりをする。
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次に松宮書店。表の方は単行本200円コーナーだが、奥の方に文庫100円均一がひっそりとおかれていて、個人的にはこれが走者一掃のタイムリースリーベース。15冊ぐらい買う。妻と息子が完全に時間を持て余し始めたのであせってきた。弥縫策として、かき氷の可能性を示唆してみた。するとかき氷を探しに行ってくれた。このへんからもう均一以外は見ないようにしていく。すると、あっというまに南側の入り口付近まで来てしまった。
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竹岡書店のペーパーバックコーナーを発見。かなりの量だ。英語だけでなく、ドイツ語やフランス語のもかなりあった。蔵書印や書き込み本などもあったので、3冊1000円という値段設定がビミョーだが、せっかくだからなんか買いたい。ペンギンマークを中心にザッと見る。
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アーノルド・ベネットとか、なかなかシブいラインナップ。すぐにイタロ・ズヴェーヴォの『ゼーノ』以外の1冊を見つけた。次に、アルフレート・デーブリーンの『ベルリン・アレクサンダー広場』も見つける。これはうれしかった。最後の1冊が決まらない。レオン・エデルのヘンリー・ジェイムズ伝2巻本の第2巻だけあって食指が動いたが、なんだか中途半端なのでそれはあきらめて、結局書き込みのある分厚いシャーロック・ホームズ全集を選ぶことにした。

ここでほぼタイムアップ。駐車場で「かき氷食べ隊」と合流して下鴨神社をあとにする。ここで買った本は大体以下の通り。やっぱり文庫ばっかりだ。

・アントニイ・バージェス 『ナポレオン交響曲』 (早川書房)
・中井英夫 『薔薇幻視』 (平凡社カラー新書)
・尾崎士郎 『相撲を見る眼』 (ベースボールマガジン社)
・篠田一士 『樹樹皆秋色』 (筑摩書房)
・郡司利男 『アダムのへそ』 (桐原書店)
・池島信平 『文学よもやま話 下』 (文藝春秋)
・佐多稲子 『年譜の行間』 (中公文庫)
・中村光夫 『文学回想 憂しと見し世』 (同上)
・近藤富枝 『相聞 文学者たちの愛の軌跡』 (同上)
・安部公房 『榎本武揚 改版』 (同上)
・富岡多恵子 『さまざまなうた 詩人と詩』 (文春文庫)
・萩原朔太郎 『詩集 青猫』 (創元文庫)
・マキノ雅裕 『映画渡世・天の巻』 (角川文庫)
・井伏鱒二 『人と人影』 (講談社文芸文庫)
・種村季弘編 『東京百話 地の巻』 (ちくま文庫)
・加藤周一 『日本文学史序説 上』 (ちくま学芸文庫)
・森まゆみ 『明治東京畸人傳』 (新潮文庫)
・徳川夢声 『徳川夢声の問答有用1』 (朝日文庫)
・徳川夢声 『徳川夢声の問答有用2』 (同上)
・Alfred Döblin, Berlin Alexanderplatz (Penguin Books)
・Italo Svevo, A Life (同上)
・Arthur Conan Doyle, The Penguin Complete Sherlock Holmes (同上)

このあと念願の善行堂に向かうべく、銀閣寺方面へ。時間を持て余しそうな妻と息子に銀閣寺の可能性を示唆してみたら、興味を示した。銀閣寺手前のコインパーキングに車を置き、別行動の私はいざ善行堂へ。時間があまりないので急いだ。
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すでに写真などで見慣れた店構え。すべてが洒落ている。入り口の均一箱をチェックしてから中に入った。

店主の山本さんとお客さんが1人いらっしゃった。短い挨拶だけ申し上げて本棚を見せてもらうことに。買い取りされたとおもわれる本が所狭しと並べられていた。ときどき聞こえてくる山本さんとお客さんの会話に耳をピクピクさせながら、入り口付近の文庫棚に張り付く。やがて年配の別のお客さんが来店。常連の方のようで、下鴨で買われた本などについて話をされていた。結局20分ほど店内にいて、次の3冊を買わせていただく。

・庄野潤三 『水の都』 (河出文庫)
・『関口良雄さんを憶う』 (夏葉社)
・上林暁 『星を撒いた街』 (同上)

夏葉社の2冊、特に上林の短篇集はぜひ善行堂でとおもっていたのでうれしい。支払いを済ませるときに少し話をさせていただいた。今度はもっと時間に余裕があるときに来てみたい。

このあとコインパーキングまでもどって2人と合流。まだまだ行きたいところはあったが、今回はここまで。家に着いたのは午後10時をまわっていた。
Commented by みこ at 2011-08-14 09:00 x
万歩計さん、こんにちは!
京都、羨ましいです。
善行堂さん・下鴨神社・ロンドンブックス・恵文社・・・
マンガミュージアムもある京都。
(ミュージアムは以前半日いたけど足りなかった・・・)

ロンドンブックスって行かれたことあります?
私すごく行きたいんですよー。
本もだけど什器がとても好みで(素材がうちのソファなどとそっくりで)、
場所も昔何度か行ったカフェのそばで、
面白いところにいい雰囲気の古本屋さんができたんだなあと
感心してしまいました。

万歩計さんのように、本めぐり旅してみたいものです。
Commented by anglophile at 2011-08-14 13:19
みこさん、こんにちは。

京都に行って来ましたよ! 善行堂さんはすてな雰囲気のお店でした。また行きたいです。ロンドンブックスさんはHPをときどき見てますが、これまたオシャレな古本屋さんのようですね。当初、嵐山方面もと考えていましたが、時間がなくて結局行けませんでした。次回はぜひ、と思っています。

あと、かろうじて高速渋滞を回避できたのがよかったです(笑)。ではでは。
Commented by airbug at 2011-08-14 22:59 x
ご無沙汰してます,昨年の源法院でおとなりした,くうきむしことairbugです.せっかくの関西行,お会いしたかったですが,ブログを拝見するにタイトな日程で,同情?致します.来年もぜひいらしてくださいね.
Commented by 山本善行 at 2011-08-14 23:04 x
いやあ、万歩計さんだったのですか、分からなかったですよ。本名を言われたのでしたか。万歩計です、って言ってもらいたかったなあ。ご来店、ありがとうございました。今度はもっと話したいです。
Commented by でっぱウサギの本 at 2011-08-15 07:11 x
いつも楽しく読ませていただいてます。でっぱウサギでございます。
京都の古本市の写真、夢のような風景ですね。古本屋もいいですけど、古本市の楽しさにはこたえられないものがあります。
それにしてもご家族の理解のあること!そして購入された本の多いこと。うらやましい限りです。
もうお腹いっぱいでしょうけど、タレコミですが、諸江BOで文庫半額セール(100円ものも含む。15日か16日まで?)をやってました。
この前の珠洲一箱に参加しましたけど(結局一人旅)、楽しかったですよ。
Commented by anglophile at 2011-08-15 16:30
airbug さん、こんにちは。

今回の関西旅行はあいかわらず古本ばっかりで充実していました。少しだけだったですが、下鴨にも参戦することができて好かったです。今度はぜひ時間があるときに、みなさんとご一緒できればとおもっています。
Commented by anglophile at 2011-08-15 16:46
山本さん、先日はどうもありがとうございました。ここちらこそもっとお話したかったのですが、なにしろ緊張していたのと他のお客様がいらっしゃったのとで、挨拶程度のお話しかできなかったのが残念でした。でも、十分に古本パワーをいただきました。昨日から『星を撒いた街』を読み始めており、なんともいえない情感に充たされています。さしあたって、月見草を育ててみたくなりました。
Commented by anglophile at 2011-08-15 16:55
でっぱウサギさん、こんにちは。いつもありがとうございます。

古本市はやっぱり特別ですね。ブックオフばっかり行っている私などには刺激が強すぎて、すぐにピヨピヨになってしまいます。そこにある本を全部見ないといけないと思ってしまうんでしょうねえ。もう少し焦点をしぼるということを学ばねばならないと思っています。

先日の珠洲の一箱は他のブログに載っていた写真や記事を読ませていただきました。私も行きたかったのですが、ちょっと距離がありすぎて断念しました。あと、先月教えていただいた場所にもさっそく行ってきました。なかなか楽しかったです。

今月の源法院一箱は、私は仕事の出張で参加できません。ちょっと残念ですが、そのぶん東京で古本チャンスをつかんできたいと思います(笑)。

by anglophile | 2011-08-13 23:26 | 古本県外遠征 | Comments(8)