2011年 01月 25日
『十蘭万華鏡』(河出文庫)情報
【内容紹介】頁数は、304頁。なんだか、またまた面白そうな内容で、期待がふくらむ。「入手困難傑作選」という一言が、なんとなく古本魂をくすぐってくれたりもする。出版社の方も、くすぐり方を心得ていらっしゃる。
フランス滞在物、戦後世相物、戦記物、漂流記、古代史物…。華麗なる文体を駆使して展開されるめくるめく小説世界。「ヒコスケと艦長」「三笠の月」「贖罪」「川波」など、入手困難傑作選。
問題は、バルガス=リョサがそれまでに終わるかどうかだけだ。のんびりしていられなくなった。
※収録作品のデータがアップされたので追記しておく。(1/25)
<収録作品>
・花束町一番地
・贖罪
・大竜巻
・ヒコスケと艦長
・三笠の月
・少年
・花合せ
・再会
・天国の登り口
・雲の小径
・川波
・一の倉沢
上記でご紹介くださった情報はチェックしておりませんでした。お教えいただき、ありがとうございます。
たしかにこのラインナップならば、食指が動きますね。もっとも、岩波文庫収録作等と若干重複していたとしても、買う積りではございましたが。
ここ最近も、「無月物語」や「黒い手帳」などを、主に電車内で読み返しておりました。この「黒い手帳」は、題名だけを見ると清張の作品を想起してしまいますが、読んでみると、ロアルド・ダールの賭博小説に似た味わいがありますね。
文体も自由自在ですし、つくづく、畏るべき作家がいたものだとおもわされます。
私の方は、その後、文芸文庫所収の「玉取物語」をさっそく読みましたが、題名通りの話で、その可笑しさに2度ほど吹き出してしまいました。また、向井敏さんの『贅沢な読書』も入手し、「玉取物語」を論じた第2章を読みました。こちらは、ご紹介いただいたとおり、「純」と「俗」を分ける二元論がいかに意味のないことかを説くあたり、胸がすく思いでした。
さて、上記河出文庫の発売日ですが、河出のHPでは2/8となっております。一方、アマゾンでは2/5となっており、少し早めに手に取ることができるのかもしれません。また、おそらく本日アップされたのだと思いますが、表紙の写真が同じくアマゾンに載っておりました。収録作品といい、この写真といい、期待がふくらむばかりです。