2010年 12月 31日
2010 In Quick Bibliophilic Retrospect
さて、今年は、古本的には、とても充実した時間を過ごすことができた。特に、8月に始まった金沢での一箱古本市に参加できたことが一番大きな出来事だった。思い返せば、岡崎武志さんのブログで、NYANCAFE BOOKSの存在を知り、7月初めの小雨の降る土曜日にNYANCAFEさんのお店を訪れたのだった。そのときに、企画進行中の一箱古本市のことをお聞きした。それまで噂を通してしか知らなかった一箱古本市に、もしかしたら自分も参加できるのではないか、と興奮したことを今でもおぼえている。それから何度もご連絡をいただき、幸運にも8月の一箱古本市に参加することになったのだった。本を買うだけでなく、売る楽しみも味わうことができたのは、自分にとっては大きな収穫だった。NYANCAFEさんには本当にお世話になりました。この場を借りて、感謝申し上げます。来年も参加することがあれば、そのときはまたよろしくお願い致します。
また、地元の出版社である龜鳴屋のご主人でいらっしゃる勝井さんにお会いできたことも私にとっては大切な出来事だった。たまたま1回目の一箱古本市の直前に、2冊の本(『したむきな人々 ~近代小説の落伍者たち~』と『金子彰子詩集 二月十四日』)を注文して、その造本のすばらしさに感銘を受けたところだったので、まさか当日にその勝井さんとお会いできるとは思ってもいなかったのである。その後、勝井さんのご自宅にも寄せていただいたりした。勝井さんご自身も相当の古本者であることもわかり、また古本の話をさせていただくことを楽しみにしております。今後もどうぞよろしくお願い致します。
ということで、一箱古本市の存在が、かけがえのない出会いをもたらしてくれた1年だった。古本漁りの方も、特に夏以降、売ることを考えてか、一段とヒートアップしていったのだった。最近は、息子の方もそういうことに気づき始めてきたようで、ときどき「そんなに本を買ってどうするの?」と私に訊くことがあるが、「そういう質問は、古本の好きな人にはしてはいけないんだよ」と諭すようにしている。