2010年 10月 26日
風邪をひいても古本か   
先週半ばから喉の調子が悪く、「風邪かも、風邪かも」と怯えているうちに、ついに風邪をひいてしまった。昨晩は38.4度の熱が出たので、夜更かしせずにおとなしく寝た。そして今日は一日休養日とした。

日曜日の夜がいけなかったのかもしれない。源法院の一箱古本市のあと、昼すぎに濃厚スープのつけ麺を食べたら、夕方になっても腹が空かず、夕食のタイミングがずれてしまった。やっと空腹になったのが21時すぎ。ここで普通の人なら家にあるもので簡単に済ませるのだろうが、私の場合はなぜかモスバーガーに行くことを考えてしまうのだなあ。家族はもう寝ており、しかたなくひとりで車に乗って外出することに。村上春樹の『ダンス・ダンス・ダンス』だったかに、主人公が深夜にあてもなく車を走らせながら「ガソリンの無駄遣いだよなあ」とつぶやく場面があったのを思い出した。

さて、モスバーガーに行こうと車を走らせたのなら、そのままモスバーガーに直行するのが道理なのだが、私の場合はなぜかその途中にある「ブ」に先に寄ってしまうのだなあ。阿呆である。空腹を満たそうとしているというよりも、空腹を忘れさせてもらおうとする方向に流れていってしまう。とはいえ、実は「ブ」に寄ろうとしたのには、どうせ閉店時間が22時なのだから、今から行っても見て回れるのは15分ほどで、それぐらいだったら問題はなかろうという自分なりの計算があってのことだった。(では、このときモスバーガーの閉店が同じ22時だったらどうしようか、という問いは私の頭のなかには浮かばない)

ところが「ブ」に着いてみると、閉店は23時であることを知って、あら、そうだっけ?とおもう。こうなると急ぐ必要もなくなり、何をしに外出してきたのかも忘れて、じっくり棚を見て回ることになった。いつのまにか空腹が満たされていくような錯覚を感じながら、本末転倒男が買った本は以下のとおり。

・円満字二郎 『太宰治の四字熟語辞典』 (三省堂)
・赤瀬川原平 『少年とオブジェ』 (ちくま文庫)
・中島河太郎 『推理小説展望』 (双葉文庫)
・安岡章太郎 『夕日の河岸』 (新潮文庫)
・柳瀬尚紀 『日本語は天才である』 (同上)
・車谷長吉 『文士の魂・文士の生魑魅』 (同上)
・中公文庫編集部編 『中央公論文芸欄の明治』 (中公文庫)
・谷崎潤一郎 『潤一郎ラビリンスⅧ 犯罪小説集』 (同上)

2冊400円セールもやっていた。『四字熟語辞典』は刊行当時にチェックしていたもの。柳瀬尚紀の本は単行本で既読。ちなみに、氏が編纂しているという英和辞典はいつ完成するのだろうか。車谷本は一箱古本市の『雲雀の巣を捜した日』に続いてこの日2冊目。8月に出たばかりだが、もう「ブ」の棚に並んでいるとは驚きだった。この文庫は2冊の単行本をまとめたもので、『文士の生魑魅』の方は単行本で持っている。『中央公論文芸欄の明治』はちょっと渋いアンソロジー。定価が文芸文庫並みなのはなぜだろうか。

このあと、かろうじてモスバーガーが買えるお金だけを残して「ブ」をあとにした。こんなことしているから、やがて風邪をひいてしまうのである。
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by anglophile | 2010-10-26 23:14 | 古本 | Comments(8)
Commented by みこ at 2010-11-01 22:41 x
こんばんは!
いきなり寒くなったり油断できない気候ですが、
体調は回復されましたか?
(私の職場にも風邪ひいてるけど休めなくて頑張ってる
人が何人も・・・)

読み返したいと思っていた安部公房の「壁」美品が105円だったので買ったのですが、いつも思うのだけど、
ブックオフの値札は新潮文庫だとはがしにくいですよねえ。3冊ほど今まで破いちゃいました。
ブックマーケットのははがしやすいのですけど。
はがしにくいほうがお店のためになるのでいいんでしょうけど、ちょっとさびしいです。
Commented by anglophile at 2010-11-01 23:43
みこさん、こんばんは。お気遣いのコメントありがとうございます。風邪のほうは90%癒えました。でも、まだ咳が出ますね。それが残りの10%を邪魔しております。引き続き用心します。

ブックオフの値札はなかなかの曲者ですね。新潮文庫のほかに、ちくま文庫にもみなさんご苦労されているようです。私も何度か破いたことがあります。以前、ドライヤーで温めるとはがしやすいということを知って試しましたが、100%成功はしません。あとは、除去用の「液体」があるそうですが、私は詳しくは知りません。現在は、とにかくできるだけ時間をおかずに早いうちにはがすようにしています。

10年以上前のブックオフの値札は普通の粘着性でしたが、やはり盗難が多いために、今のような値札になったのだろうと思います。

みこさんもお体にお気をつけ下さい。
Commented by airbug at 2010-11-02 08:44 x
みこさん,万歩計さん,おはようございます.
除去用の液体ですが,ふつうに文房具屋で入手できるそうです.先日の京都の一箱市のときに他店のかたに教えてもらいました.汚れを落とすのにはzippoのオイルがいいのだとか.まだ試していないので確実にお薦めできるわけではないのですが,色落ちなどあるそうなので,不要な本に犠牲になってもらって(涙),塩梅をつかむのがよいかと.
Commented by anglophile at 2010-11-02 11:42
airbug さん、おはようございます。

なるほど、文房具屋に売っているんですね、その液体は。今度チェックしてみます。汚れ落としに関しては、私は石鹸水をティッシュにしみこませてクリーニングしています。中公文庫あたりなら、かなりきれいになります。しかし、新潮文庫やちくま文庫は不可でしょうね。

先日の「えいでんまつり」での一箱古本市の様子をブログで読ませていただきました。ありがとうございます。
Commented by みこ at 2010-11-03 10:18 x
anqlophileさん、airbugさん、こんにちは!
いろいろと情報ありがとうございます。
除去用液体は、昔次男が小さかった頃試してみたのですが、箪笥に貼られたドラえもん巨大シールは今もそのままに・・・
でも最近の製品なら、値札シールぐらいはきれいにはがれるのかもしれませんね。
近いうちに試してみたいと思います!
値札シールは残しておくと本棚の中でねちゃっとしてきそうで、やっぱりはがしたいんですよねえ。

でも(はがしにくいけど)新潮文庫やちくま文庫は、今の紙質のカバーで変わらないでほしいですよね。
つるつるテカテカは見た目も感触も苦手なんです、私。

ところで、京都の市のお話は私も楽しませていただきました♪
学生時代嵯峨野方面に住んでいて嵐電三昧でしたが、社会人に成ってから恵文社など叡電方面が好きになりました。
北陸で「マザーウォーター」上映されないのを知って、
「映画と古本市のために京都へ行けばよかったー!」と
後悔しきりです。

長くなりましてすみません。anqlophileさん、咳は長引きますので、治りかけてまたぶり返すこともありますので、お大事になさってくださいね。
Commented by airbug at 2010-11-03 22:51 x
>みこさん
小さい声で言いますよ,万歩計さんのハンドルネーム,qではなくてgのようです.僕も初めて知りましたが,「親英派」という意味でしょうか.「イギリスかぶれ」でもいいのかもしれません.(アメリカでなくてよかった)

みこさんが京都に住んでいたことがあったとは!来京のさいには銀閣寺そばの善行堂(http://www.hat.hi-ho.ne.jp/zenkoh/)へお立ち寄りください.店主は古本の神です.いつもいい本を推してくれます.
Commented by anglophile at 2010-11-04 00:54
airbug さん、ご指摘ありがとうございます。私も気づいておりませんでした。私の場合は、どちらかというと「イギリスかぶれ」の方かとおもいます(笑)。みこさん、お気になさらぬように。

みこさんは京都に住んでいらっしゃったんですね。私の祖父もむかし京都にいたということを子供のころよく聞かされました。とても愛着を感じていたようです。今でもおぼえているのが、私が小学生のときに、ある日曜日の早朝に起こされて、「今から京都に行くぞ!」といきなり言われたことです。なんの予告もなかったのでびっくりしましたが、祖父にしてみれば、ちょっと近所にでも出かけるような感じだったのかもしれません。その日はロープウェイで比叡山に登ったりして、日帰りで帰ってきたのでした。この祖父との二人旅は私の子供時代の大切な想い出となっています。
Commented by みこ at 2010-11-04 22:24 x
あら! 大変失礼いたしました!!
以前打ちこもうとして「g」だわと思った覚えはあるのですが、下線が付いてると「q」に見えてそのまま打ってしまいました。
anglophileさん、すみません。
airbugさん、ご指摘ありがとうございました。

幼少時は大阪で、学生時代は京都で、関西方面にご縁があるのですよ、私。
特に京都は社会人になってからも本屋・美術館・京都劇場目当てに、何度か一人で行ってます、大好きです京都♪
学生時代は、本関係では今は無き河原町進々堂(だったかな?)書店、洋書の丸善、絵本のきりん館、などなどよく行ってました。なつかしいなあ!

anglophileさんのおじい様、素敵ですね☆
私もそんな風にさりげなく出かけたいです。

お二人のお好きな善行堂さん、とても素敵なお店の様で、一度是非行ってみたいです。
いつかきっと☆


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