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古本万歩計 Of what is lost, all I wish to recover is the daily availability of my writing, lines capable of grasping me by the hair and lifting me up when I'm at the end of my strength. - Roberto Bolano

ここ数日の読書   

子供が夏休みの宿題の「工作」でなにか作らなければならず、そのネタを仕入れるために、久しぶりに新刊書店へと足をのばした。

私の方といえば、いま特にほしい新刊書はないので、ぶらぶら立ち読みをしてすごす。結局なにも買わなかったが、帰り際、入り口に設置されている「図書目録・無料雑誌コーナー」の棚から『一冊の本』(8月号)と青土社の図書目録を頂いてきた。

『一冊の本』をパラパラやっていたら、金井美恵子が「目白雑録4」を連載している。今号の話題は、南アフリカワールドカップ。氏はけっこうサッカーに詳しいようだ。インテルの監督だったモウリーニョなんかについてもよくご存じのようで、正直おどろいた。この『目白雑録』は現在3巻まで出ているようだが、これまで読んだことがなかった。ちょっと注目してみたくなった。

さて、現在は久世光彦『蕭々館日録』を読んでいる。小島政二郎、芥川龍之介、菊池寛の3人の交流を描いたもの。数年前に講談社文芸文庫で出た小島政二郎『芥川龍之介』を読んでいたので、その分だけ楽しめる仕様になっている。(『眼中の人』は怠惰のため未読)

久世さんの本はちょっと前に『昭和幻燈館』を読み、その文章の巧さに酔いしれたばかりだった。当時の作家のいろんな文章も引用されており興味が尽きない。今回も堪能しております。
Commented by Tsubute at 2010-08-12 23:42 x
古本万歩計さんこんにちは。
『眼中の人』ですよ、それを、ぜひ、先に読んでください!間に合わないかなぁ…。
Commented by anglophile at 2010-08-13 11:02
Tsubuteさん、貴重なコメントありがとうございます。
Tsubuteさんの短いお言葉の中に、なにやらただならぬものを感じましたので、3分の1程度読んでいた『蕭々館日録』を脇におき、さっそく『眼中の人』(岩波文庫)を引っぱり出してきて読み始めたところです。
小島政二郎の切実な心中吐露が胸に響いております。
Commented by Tsubute at 2010-08-14 09:02 x
古本万歩計さんこんいちは。なんだか、押しつけてしまったようで、すみません。『眼中の人』は胸に響く作品で、大好きです。『蕭々館日録』を読んで感じたのは、その『眼中の人』をもとに、久世さんが紡ぎだすイマジネーションのすばらしさでした。圧倒されました。
Commented by anglophile at 2010-08-16 00:55
Tsubuteさん、昨晩『眼中の人』読了しました。
私が小島政二郎を初めて読みましたのは、河出文庫から『円朝』が出た2年前の夏でした。とき同じくして、講談社文芸文庫からは『芥川龍之介』が出て、ちょっとした「小島政二郎ブーム」だったかもしれません。お恥ずかしながら、私にとっては初めて耳にする作家でしたが、いくつかのブログでその名が取り上げられているのを読み興味を持ちました。そして『円朝』から『芥川龍之介』へと読み継ぐなかで、『眼中の人』という作品があることも知りました。もちろん強く興味を惹かれたのですが、私の記憶が確かでしたら、『眼中の人』はあの夏の時点で品切れだったはずです。重版になったのは、それから数ヶ月してからでした。季節はもう秋になっていました。購入はしましたが、時すでに遅しの観ありで、私の関心はすでに他に移ってしまっていました。結局未読のまま2年が経過したことになります。
今回、Tsubuteさんに背中を押して頂かなければ、この本を読むのはまだまだ後になっていただろうと思います。その意味でも、本当に感謝しております。このあと、『蕭々館日録』再開です。
by anglophile | 2010-08-12 22:33 | 読書 | Comments(4)