2010年 05月 10日
小林高四郎 『古本随筆 漁書のすさび』
題名にだけ惹かれて買った本だが、ところどころに面白いことが書いてある。
 愛書家の稀書・珍本探求の範囲が、専門からつぎつぎへと拡がり、ついには飛んでもない方面に及び、本来自分の研究に何の価値も無いものをも入手して悦に入る。とくにそれが法外の安さであった時の醍醐味は、到底口にしえないところであることなど、今更もっともらしく言う迄もなかろう。このためには暇がなければならない。ついには研究の時間すら割くのを惜しまなくなる。定期的な古書店はいうも更なり、国内はもとより、外国に出てすら、観光よりは、古本屋を歩き廻わる。これこそ書痴の一弊であろう。私も齢とともに、だんだんこういう仲間に入ったようだ。(七一頁)
「観光よりは、古本屋を歩き廻わる」という言葉が私の心に響く。
[PR]

by anglophile | 2010-05-10 21:30 | 古本 | Comments(0)


<< 最近気になる本      mishmash >>