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古本万歩計 Of what is lost, all I wish to recover is the daily availability of my writing, lines capable of grasping me by the hair and lifting me up when I'm at the end of my strength. - Roberto Bolano

『ピストルズ』

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阿部和重『ピストルズ』(講談社)をようやく入手した。当初書店で購入しようと思っていたが、講談社のHPを見ていたら、著者サイン本が100冊限定で販売されていたので、どうせならということでそちらで注文した。東京ではサイン会も毎回やっているようだが、地方に住む者にとってはこういうサービスはありがたい。早めに気づいてよかった、よかった。

『ピストルズ』は群像に長期連載されていた。題名が、「拳銃」のpistolsと「めしべ」のpistilsを掛け合わせたものらしい。英語の発音は両者ともほぼ同じ。いつも思うが、阿部の題名の付け方にセンスを感じる。『インディヴィジュアル・プロジェクション』、『シンセミア』、『グランド・フィナーレ』、『プラスティック・ソウル』、『ミステリアス・セッティング』などなど、カタカナの題名が多いが、いわゆる「和製英語」ではなく、英語の本当の意味と掛け合わせているところがうまいなあと思う。

この作品は『シンセミア』に続く「神町サーガ第二作」という位置づけである。「神町(じんまち)」とは阿部の出身地である山形県にある町の名前である。テーマは「植物」。これから読むのが楽しみである。
by anglophile | 2010-03-31 21:28 | 読書 | Comments(0)