2010年 01月 04日
『講談社文芸文庫解説目録』
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実家に帰った折に、珍しいのではないかと思い、持って帰ってきた講談社文芸文庫の解説目録である。残念ながら、ボールペンによる書き込みや線引きが多数ある。すべて私が書いたもの。表紙に書いた「53,52,51」という数字が何を意味するのかはもう思い出せない。

これは文芸文庫の創刊三〇〇冊刊行を記念して無料配布されたものである。表紙には「1994年12月現在」とあるので、もう一五年も前のことである。たしか金沢のどこかの書店でもらってきたはず。総ページ数は六〇頁である。この薄さは昭和初年の岩波文庫の解説目録を思い起こさせる、といったら肩入れしすぎだろうか。見返しには「文芸文庫自身のためのマニフェスト」が標榜されている。
はじめこの文庫は、純文芸という壁、内容は別にして文庫にしては高価という二重の壁に拒まれ、敬遠されがちでしたが、群が二〇〇を超え二五〇冊になると、逆に、多くの具眼の士たちの支持を得、熱い声援をいただくようになりました。
これを読むと、出版社側の創刊後の不安な様子が分かる。この頃は海外の作品はまだほとんど収められておらず、日本文学が中心であった。外国文学といえば、青柳瑞穂訳の『マルドロオルの歌』ぐらいか。この直後には、日夏耿之介の『ポオ詩集』や『ワイルド全詩』なども出ている。どちらも現在絶版である。さらに数年後には、ロブ・グリエとかフォークナーが文芸文庫から出始めたことを個人的に記憶している。

文芸文庫には絶版になっているものも多いので、やはり解説目録は重宝する。とはいえ、この「三〇〇冊記念」のものは大して役には立たず、全体を網羅したものがほしいところである。
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by anglophile | 2010-01-04 22:28 | 古本 | Comments(0)


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