2009年 12月 23日
「トマス・ピンチョン コンプリート・コレクション」の続報
お目当ての二冊を不釣り合いな大きさの買い物かごに入れて、しばらく店内をうろうろする。そして、外国文学の棚の前に来て、『世界文学全集』(池澤夏樹・個人編集)のカラフルな背表紙の群に目が行く。なんとなく『ヴァインランド』(トマス・ピンチョン)を手にとってみる。ショッキングピンクのカバーが素敵だ。奥付を見て、今月配本されたばかりであることを知る。次に、訳者の佐藤良明による解説と年譜を読み始める、近くのソファーに座って。ピンチョンの年譜が興味深かった。例えば、何年か前のアニメ『シンプソンズ』に、ピンチョンがキャラクターとして二回ほど登場していたらしい。ただし、頭には買い物袋をかぶっているので顔は見えない。で、その声をピンチョン自身が担当していたということだ。それは見てみたい!You Tubeで見れるのかしら。
で、解説の最後に、「トマス・ピンチョン コンプリート・コレクション」のことが書かれていた。もうすぐ刊行開始とのこと。柴田元幸は『メイソン&ディクソン』を、木原善彦は『逆光』(原題Against the Day)の訳をすでに脱稿しているという。佐藤もこれより『重力の虹』の新訳に取りかかるとか。ということで、予定よりも一年遅れて、ようやくこの全集が動き出す!