2009年 12月 15日
ウィリアム・モリス
まず大判(30.6×21cm)であるのがいい。出版社の説明によると、これは実物を72%縮小したサイズであり、オリジナル版から100頁分が抜粋されているということ。とはいえ、バーン・ジョーンズの87枚の挿絵はすべて収められている。あと、Fridolf Johnson という人の「まえがき(Introduction)」も読み応えがある。これによると、とにかくウィリアム・モリスという人は溢れんばかりのアイディアを持っていたらしい。たしかに、そのデザインの種々多様なのには驚くばかりである。どのページを眺めてみても、その濃密さに圧倒される。また、巻末には、モリスがデザインした装飾体の大文字アルファベットが大中小の順で載っている。
これに関して非常に興味深いことが「まえがき」に書かれている。それによると、モリスが考案したアルファベットの装飾体は全部で384あり、なかでも「T」が一番数が多く、少なくとも34のバリエーションがあるということだ。この巻末にも「T」の装飾体が大中小あわせて30ほど収められている。ほかの文字と比べて多いというところが面白い。