2009年 12月 13日
『イングロリアス・バスターズ』
さて、映画自体をあまり観なくなったこともあるが、タランティーノのここ十年ぐらいの作品にはほとんど注目していなかった。『キル・ビル』すら見ていない。私にとってのタランティーノ映画といえば、『レザボア・ドッグス』(一九九二年)、『トゥルー・ロマンス』(脚本のみ:一九九三年)、そして『パルプ・フィクション』(一九九四年)の三作で止まっている。しかし、この三作から受けた衝撃は今でもおぼえている。当時イギリスにいたのだが、『レザボア・ドッグス』はその有名な暴力シーンのため、ビデオでの発売が禁じられていて、映画館でしか見ることができなかった。だから、ロンドンなどでは『レザボア・ドッグス』のみを上映している映画館があった。今もそうなのだろうか。(ちなみに、『エクソシスト』も同じような理由で、『エクソシスト』専用の映画館があった。)『パルプ・フィクション』は三回見た。当然、字幕などないから、セリフが分からないところがたくさんあり、Faber and Faber から出ていた脚本集を買って繰り返し読んだこともあった。自分のなかでは、『イングロリアス・バスターズ』はこれらと同じくらい楽しく観ることができた。