2009年 12月 04日
コナン・ドイルの短篇集
ドイルといえば、なんと言ってもホームズである。しかし、私はその数年前に新潮文庫の『ドイル傑作集(一)~(三)』を夢中で読んだことがあった。訳者の延原謙が「解説」でこう書いている。
ドイルは死の前年すなわち一九二九年に、(ホームズ以外)の短篇作品をばらばらにほぐし、同種類のものを集めて一編となし、さらにこれを千二百ページ十編の大冊にまとめ、コナン・ドイル・ストリーズとして出版した。これを読んだら当然もっと他の短篇も読みたくなるわけで、大学の図書館で調べてみたが残念ながらそこにはなかった。しかしその数年後、遠いダブリンの地でその短篇集を見つけることになり、その時は小躍りした。
さて、この短篇集にはあわせて七六篇の短篇が一〇のカテゴリーに整理されて収められている。見た目同様にボリューム満点である。そのカテゴリーとは、
①Tales of the Ring
②Tales of the Camp
③Tales of Pirates
④Tales of Blue Water (新潮文庫『海洋奇談編』)
⑤Tales of Terror (新潮文庫『恐怖編』)
⑥Tales of Mystery (新潮文庫『ミステリー編』)
⑦Tales of Twilight and the Unseen
⑧Tales of Adventure (新潮文庫『冒険編』)
⑨Tales of Medical Life
⑩Tales of Long Ago
現在、新潮文庫で入手可能なのは④⑤⑥の三冊のみである。しかし、昔はこれとは別の体裁で八冊ほど出ていたらしい。私は⑧を古本で持っている。それにしても、なんで三冊だけになってしまったのだろう。けっこう面白いからそこそこ売れると思うんだけど。ちなみに、新潮文庫の他に、創元推理文庫からも別の編集で五冊(四冊?)出ているようだが、これは未確認である。今度書店で確認してみたいところである。