2009年 11月 09日
宮本浩次と古本
今朝の「めざましテレビ」がエレファントカシマシを特集していた。こんな朝にエレカシが出るとは!と思ったが、新曲か何かのPRだった模様。エレカシといえば、昨年ユーミンの「翳りゆく部屋」をカバーしており、個人的にはなかなかシブい選曲に思わず唸った。迷わずitunesで購入した。私が彼らの音楽に興味を持ち始めたのは、一九九六年の傑作アルバム『ココロに花を』からである。今でもカラオケでたまに歌うことがある(笑)。

エレカシのヴォーカルをつとめるのが宮本浩次である。浩次は「ひろじ」と読む。この人は身振り手振りがオーバーアクションで、テレビに写るとなかなかインパクトがある。また文学好きとしても有名で、むかしあるラジオ番組で、「神保町だったかの古本屋で泉鏡花の全集を買って、それを自転車の荷台にくくりつけてやっと家まで帰ってきました」というようなことを話していて、ああこの人もそういう世界が好きなんだ、と親近感を持ったことがあった。

さて、「めざましテレビ」では、ライブの舞台裏やレコーディングの模様が紹介されていた一方で、宮本の文学好きについても触れられていた。「今読んでいる本は?」に、宮本は一冊の古い文庫を出して話をしていた。タイトルがチラッと見えたのだが、それは岩波文庫『ゲーテ伝』(ハイネマン)だった。今度はゲーテですか、とまたしても唸ってしまった。

宮本はエッセイ集も出していて、私は『明日に向かって歩け!』(集英社、二〇〇二年)というのを一冊持っている。たしかずっと前にブックオフで買ったはず。宮本が文学をこよなく愛していることを知らなければまず買わなかっただろうと思う。このエッセイ集は『週刊プレイボーイ』に連載されていたようで、宮本の日々の様々な思いが綴られている。ところどころに文学の話や古本屋に寄ったという話が出てくり、興味をそそられる。

 俺はいわゆる本好きだ。本好きなどと公言するからには、相当の読書家だろうとあなたは想像するかもしれない。しかし、俺の場合、白状するが読書することよりもむしろ“本そのもの”が好きなのである。本そのものが発している“文化のかおり”というか“知識のかおり”というべきか、とにかく本が持っている、そういった佇まいが好きなのである。
 新刊本のページを繰るときに発せられる真新しい紙と印刷のにおい、また古本から発せられるどこかカビくさい、同時に重々しい雰囲気。俺は読書家ではない。“愛書家”というべきものなのである。
 本好きが高じて、俺の部屋には、今、優に五千冊は下らないと思われる本が、あるものは棚に収まり、また収まりきらない分は床の上に積み上げられてい置いてある。恥ずかしながらこれらの本、殆どは目を通していないのである。いつか読もう、いつか勉強しようと思ってポツポツ買っていた本が、少しずつ積み上がっていって、本の山となったわけだ。本好き、まぁとりもなおさず知識への憧れだけは強いんだ、俺は。(一〇二頁)
「五千冊」というのだから、まちがいなく筋金入りである。

ところで、この本、アマゾンで検索してみると、とんでもない値段がついている。ホントだろうか。6件とも1万円を超す値が付けられている。半信半疑も、買っておいて良かったと内心思ったのは内緒です。
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by anglophile | 2009-11-09 21:13 | 音楽 | Comments(0)


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